評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!
鋭い視点でアートの見方を指南
村田 真
美術ジャーナリスト
『ライディング・モダンアート 』 ラファエル・ザルカ展
24/2/17(土)~24/4/21(日)
東京日仏学院
タイトルを直訳すれば「近代美術に乗る」。近代美術とは幾何学的抽象形態のパブリックアートのこと、乗るのはスケートボーダー。つまり屋外の彫刻の上をスケボーが滑っている写真展なのだ。作者のラファエル・ザルカは、幾何学的形態の変遷について芸術や科学技術、ポップカルチャーの側面から学際的に探求するフランスのアーティスト。モダンアートにおける幾何学をスケボーによって体感しようというわけだ。標的になった彫刻はリチャード・セラ、バーネット・ニューマン、リチャード・ディーコンらによる、滑らかな曲線や直線で構成されたスケールの大きな作品が多い。ピカソの彫刻もあるが、いささか滑りにくそうだ。最近は無用の長物化しつつあるパブリックアートも、このように有効活用すれば邪魔者扱いされなくなるかも。多少傷ついてもイジられてるうちが華だから。
24/4/9(火)