2016年の『さらば あぶない刑事』で、警察を定年になったふたりは、ニュージーランドで私立探偵をしていたが、横浜に帰って来る。
冒頭の、舘ひろしが、港で訳ありの女性と出会うところは、往年の、石原裕次郎と浅丘ルリ子の日活ムードアクションみたいだ。
舘ひろしと柴田恭兵は横浜に探偵事務所を開く。そこに、行方不明になった母を探してほしいとの依頼人が来るという、ハードボイルド・ミステリの王道を行くストーリー。
もう刑事ではないふたりが、どうやって、「あぶない刑事」になるのか。そんな疑問にも、一応の理屈があるのが、楽しい。ふたりは、「あぶない私立探偵」ではなく、「あぶない刑事」なのだ。
シリーズが始まったときは、まだ昭和だったのも驚きだが、舘ひろしと柴田恭兵のシルエットの変わらなさも、驚きだ。
シリーズのこれまでの作品を見ていない若い世代も楽しめ、昭和のテレビ映画時代からのファンならば、お決まりのパターンそのものが楽しいという、シリーズもののエンタメとして、完璧だ。