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おとなのJ-POPとJ-ROCKを紹介

平山 雄一

音楽評論家、プロデューサー、俳人

鈴木康博

オフコースのオリジナル・メンバーの鈴木康博は、来年、デビュー55周年を迎える。今回の『鈴木康博 LIVE 2024 アコースティックイブニング in 葛飾』は、鈴木がこれまで共に歩んできたミュージシャン仲間と一緒にアコースティック・スタイルで音楽を楽しむライブになる。  もともとオフコースはフォーク・グループとして始まった。その後、リズム隊が加わってエレクトリック・バンドとして再スタートを切るが、鈴木のギターは小田和正のキーボードと並んでオフコースのサウンドの要となった。 シンプルなフォークから、ボサノヴァなど洗練された音楽性もカバーする鈴木は、70年代半ばに起こった“フュージョン”に傾倒していく。ロックとジャズが融合(フュージョン)したこのジャンルは、ラリー・カールトンやリー・リトナーなどのギター・ヒーローを生み出し、その影響を受けた鈴木のギターはぐんぐん冴えを増していった。結果、オフコースはポップと高度な音楽性を両立させたバンドとして、当時、最高峰の存在になったのだった。 オフコース脱退後、ソロに転じた鈴木は、自分の音楽をマイペースに追求。フレンドリーな性格も相まって、数多くのミュージシャンたちと交流を重ね、楽曲を制作してきた。今回のライブではそうしたゲストが名を連ねる。サディスティック・ミカ・バンドのベーシスト小原礼、鈴木の音楽には欠かせないピアニスト榊原大、「一億の夜を越えて」に歌詞を提供したあんべ光俊などがどんなセッションを繰り広げるのか。 つい最近のインタビューで鈴木は「サブスクでいろんな音楽が聴けるようになって、改めて自分の未熟さを痛感している」と語ってくれた。このベテランとは思えない超前向きな発言こそ、鈴木のミュージシャンシップの核をなす。きっと大人がリラックスして楽しめるライブになることだろう。

24/7/12(金)

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