『エイリアン:ロムルス』を観て“シリーズもの”について考えた。続編や派生作品がいくつも作られるのは、設定やキャラクターに大きな魅力があるからだ。SF映画の金字塔『エイリアン』シリーズは1979年の第1作からこれまで6本が製作されている。どれも観返したくなる面白さだ。
7本目の『ロムルス』は物語の時系列で言えば、『エイリアン』と『エイリアン2』(1986年)の間に位置づけられる。予備知識がなくても楽しめるプロットが用意されたという。フェデ・アルバレス監督も「観たことがないのなら、本作は最初の1本となる素晴らしい機会になる」と話している。確かに第1作に触れた時のような新鮮な感覚に囚われた。充分知っているのに、エイリアンという狂暴な生命体の恐さが改めて迫って来る。宇宙空間の逃げ場のない設定も同じなのに、危機に直面した時のドキドキ感は変わらない。
舞台は、漂流中の宇宙ステーション「ロムルス」。辿り着いた6名は圧倒的な戦闘力を持つエイリアンに遭遇するが……。ステーション内で無重力と重量が発生している状態に何度も切り替わる設定が興味深い。“絶望と希望”が2つの場面でどう描かれたのか。大きなスクリーンで堪能してほしい。