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動物界

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このフランス映画は主人公の親子が乗った車が、都会で大渋滞に巻き込まれているシーンから始まる。すると突然、そこに奇怪な風貌の“鳥人間”が出現してパニックを引き起こす。これが本作の世界観、すなわち人間が動物化してしまう奇病が蔓延した社会だ。 そのほかにも劇中にはタコ、カメレオンなど多様な“新生物”が登場するのだが、過去の獣人ものやミュータントものとは明らかにテイストが異なっている。デヴィッド・クローネンバーグのハエ男ホラー『ザ・フライ』、ヨルゴス・ランティモスのディストピアSF『ロブスター』とも違う面白さだ。設定は奇想天外だが、物語の背景になっているのは市民がごく普通に日常生活を営んでいる現実社会。そこに本作の新鮮さがある。 また、これは過酷な状況に陥った父と息子の葛藤を描くヒューマン・ドラマでもある。混乱、苦悩から解放へと至る彼らの心の軌跡は、最後に思いがけないカタルシスをもたらす。これが日本初登場のトマ・カイエ監督、今後も注目すべき逸材である。