驚いた。コロナと東日本大震災をベースに東北でコメディを成立させるとは!
コロナを国民が1番恐れていた時期、東北の港町が舞台。東京から移住をしてきた主人公(菅田将暉)と、「東京人は感染源だ」と病原菌扱いする地元の人たちとのズレた交流を描く前半は、コロナあるあるで観客を笑わせていく。
一方で、『あまちゃん』で被災地を知る宮藤官九郎の脚本を使って、岸善幸監督は震災から10年たっても喪失感から抜け出すことのできない港町の人たちの心の内を丁寧に描き出す。
結果、涙と笑いと社会問題を取り込んだ見事なバランスの作品になった。
「震災なんてどうでもいい!」というセリフ、あなたはどう捉えるだろうか?