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リアル・ペイン~心の旅~

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後味が残る映画。それは心を潤し、また彼らに逢いたいと思わせる力を秘めている。オスカーノミネート作品の中でも一際その香りを放つのが『リアル・ペイン〜心の旅〜』だ。なんと言っても従兄弟同士を演じたジェシー・アイゼンバーグとキーラン・カルキンが良い。自由で純粋で周囲の目など気にならないベンジー役のキーランを、面倒を見ているようで恥ずかしさを覚えているデヴィッド役のジェシー。 カメラはピアノの音色と共に彼らの旅の様子を追って行くが、本作がホロコーストの悲劇を知るというよりは、彼らの心の痛みの本質を知る物語だと気づくのだ。自分が人と違うことを理解しているデヴィッドは、ベンジーというもっと変わった従兄弟を見て安心しているようにも見える。一方のベンジーは誰にどう思われるかなんて考えてもおらず、思ったことをそのまま口にして空気を乱しても気にする様子はない。 このふたりがルーツであるホロコースト歴史ツアーから得るものはなんなのか。また彼らと数日関わることになったツアー参加者やガイドが、行動を変えていく様から「自分だったら」と考える要因にもなっていく。そして映画を観終えて考えた。生きづらさとはなんなのだろう。自分が生きづらいと感じる理由とは。果たしてベンジーは生きづらさを感じているのだろうか。私はベンジーのラストカットが彼のすべてを表しているように思えた。それと同時に彼が大好きだと確信した。