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映画から自分の心を探る学びを

伊藤 さとり

映画パーソナリティ(評論・心理カウンセラー)

犬と戦争 ウクライナで私が見たこと

ペットは家族だ。理解している人は多いだろうが、ペットと暮らすとそれは実感に変わる。もし震災に見舞われたらとペットとの避難の準備をしている人も居るだろう。本作はそれが戦争という思いも寄らぬことで、家族と引き裂かれたウクライナの犬たちに焦点を当てたドキュメンタリーだ。 彼らは飼い主や人間が怯えている様子から、これは危機的状況であると気づくのかもしれない。慌てて家を出て行った人々の帰りを待つ犬を救出する愛護団体の人々や、瓦礫の下で震えている仔犬たちを救出する元軍人にカメラを向け、何故、彼らが命懸けで犬や猫を救うのか尋ねるシーンには胸が熱くなった。 またシェルターで助けを待ち続けた犬たちの姿を捉えた映像はセンセーショナルで、「これこそが、人間が勝手に起こした戦争の犠牲だ」と怒りを覚えた。地球に住む限り、動物たちは人間の支配下にあるのかもしれないと気付かされる映像の数々。 そんな彼らを救いたいと思う人々は、犬に救われた人々だった。動物の救済のためなら地の果てまでも行くという彼らが願うのは犬の幸せ。ありがたいことに犬たちは、自分を怖がらせた人間に怒りをぶつけるのではなく、愛してくれる人間に愛を注いでくれるのだ。このドキュメンタリーから見えるもの。それは“愛”そのものだった。

25/2/17(月)

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