犬と戦争　ウクライナで私が見たこと

東日本大震災の時も被災したペットの姿を撮ったドキュメンタリーはあったが、震災など災害や戦争が起こった時、犬や猫をはじめ動物たちはいかなる状況にあるのか。そんな疑問に答えるかのように、ロシア軍によるウクライナ侵攻下の動物たちの姿を、犬や猫をテーマにした映画を撮ってきた山田あかね監督が追ったドキュメンタリーだ。ウクライナはもちろんのこと、ポーランドやイギリスなど各国の動物愛護団体が動物たちの救助活動をするが、侵攻直後のボロディアンカの動物シェルターでは閉じ込められた犬の多くが犠牲になった。そんな悲劇をはじめ戦争下の動物たちの惨状には胸を痛めざるをえない。生き物の生命を蔑ろにする戦争の残酷さ、戦争をする人間の愚かさについて改めて問いかけられる。