Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > ぴあ映画 > デュオ 1/2のピアニスト

デュオ 1/2のピアニスト

映画

ニュース

音楽映画は何故、こんなにも心を動かすのか。 それはきっと彼らが自身の想いをのせてステージに立つ姿と、そのメロディが観客の感情にコネクトし、涙腺を刺激するのだ。しかも本作のように実話となればなおのこと、おとぎ話ではない血の滲むような努力が俳優を通してスクリーンから伝わってくる。なにより本作が、ピアニスト映画にとどまらないのは、出演者がピアノを実演するのはもちろんのこと、その先の複雑な想いを全面に押し出した作品だからだろう。 “親の期待に応えなければいけない。理由はコレさえ頑張れば褒めてもらえるから”。こんな子どもを時折見かける。この映画でもその感情を見つけることになる。そんな思いから始めたピアノが賞賛され、やがて自信へと繋がり、自分の存在価値を高めるものになっていく。しかし、そこから物語は姉妹ならではの葛藤へと変わる。彼女たちは同じ志なのに音楽大学で比較され、互いをリスペクトしているのにライバルのように勝手に扱われてしまうのだ。 自身の存在意義だと思っていた道を外された時、人はどんな決断をするのか。映画の肝はそこだった。描かれるのは本当の彼女たちの幸福度。父親はNo.1になることに固執し、それが幸せであると思い込んでいる。これもまた彼が何処かで刷り込まれた「〜であるべき」だ。そのジャンルのNo.1になることが成功なのか。この問いに映画はしっかりと応えていた。