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北アイルランドの演劇界から映画界に転じ、S・スピルバーグ監督の代表作『シンドラーのリスト』で、ナチスに囚われたユダヤ人を救出するドイツ人実業家を見事に演じてアカデミー賞主演男優賞にノミネートされたリーアム・ニーソン。以後、『マイケル・コリンズ』『レ・ミゼラブル』で名声高まり、『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』で人気を獲得。2008年、56歳で単独主演した『96時間』で、“アクション俳優”として不動の地位を確立した。以降、『フライト・ゲーム』『MEMORY メモリー』などアクション路線を走り続けてきた。しかし72歳になったいま、さすがに老いが垣間見られる、といえば彼のファンに叱られるだろうか。 レイモンド・チャンドラーが生み出した伝説的な私立探偵フィリップ・マーロウを演じた『探偵マーロウ』が100本目となったリーアム・ニーソンの新作『プロフェッショナル』の舞台は、自身の故郷である1970年代の北アイルランド。ニーソン扮するのは修羅場を潜り抜けてきた暗殺者。引退を決意した矢先、アイルランド共和軍(IRA)の過激派テロリストと戦わざるを得なくなる、というお話だ。 寒々としたアイルランドの風景がニーソンのたたずまいと溶け合って、老いたアウトローの悲しみが見る者の胸を打つ。まさに「孤老」。アクション映画ではあるが、いぶし銀のような味わいあるニーソンの演技が、アウトローの物語を奥深いものにしている。 監督はイーストウッドの映画製作会社「マルパソ」の主要メンバーとして、『ミスティック・リバー』『ミリオンダラー・ベイビー』『父親たちの星条旗』など、多くの名作のプロデューサーを務めたロバート・ロレンツ。2012年にイーストウッド主演の『人生の特等席』で監督デビュー、21年にはニーソン主演の『マークスマン』を手がけている。 そのロバート・ロレンツ監督を媒介にして繋がるのが、イーストウッド94歳とニーソン72歳の関係性だ。年齢の隔たりはあるが、彼はイーストウッドの背中を見ながら走り続けているのではないか、と思わせる優れたアクション映画『プロフェッショナル』。 名作『マイケル・コリンズ』でニーソンが演じた、アイルランドの独立運動家マイケル・コリンズを思い出さずにはいられない秀作だ。