昨年公開された『青春』は、ワン・ビン監督が構想した3部作の第1部に当たり、今回公開されるのはその続編としての第2部・第3部。第1部では長江デルタ地域にある織里という零細な衣料品工場がひしめく町を舞台に、農村から出稼ぎにきた農民工と呼ばれる若者たちが働く日々を生々しく描いていたが、そんな彼らの生活を、第2部ではその後の経済不況が影を落とす日々が、第3部では春節で故郷に帰省した姿が描き出される。3部作合わせると10時間近くになる長尺だが、知られざる中国社会の断面に興味は尽きない。撮影は2014年から19年にかけて行われたというが、それはコロナ禍直前までであり、その後の若者たちの生き方が気になる。中国経済の底辺を支える人々の姿をリアルに描いて必見だ。 ＊『青春 -苦-』『青春 -帰-』4月26日(土)から公開。

25/4/23(水)