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村田 真
美術ジャーナリスト
特別展 生誕151年からの鹿子木孟郎 ―不倒の油画道
26/1/17(土)~26/4/5(日)
泉屋博古館東京
明治初期から昭和初期までを生きた鹿子木は、芸術家を目指すより生計を立てるために職業画家を選んだという珍しいタイプ。その見事な描写力は初期のスケッチからもうかがえる。1900年に渡仏し、パリの画塾で古典主義のローランスに師事。当時すでに黒田清輝が新しい外光派のスタイルを持ち帰っていたが、鹿子木はより古典的な写実表現を極めていく。この留学中に住友家から援助を受けることになった。同展が住友系の泉屋博古館で開かれるのはそのためであり、ローレンスの大作《マルソー将軍の遺体の前のオーストリアの参謀たち》が出品されているのも、鹿子木の仲介で住友家が購入したものだからだ。こうしてフランスで学んだ写実的な物語画が大作として実現するのが、晩年の戦争画(不出品)であったのは歴史の皮肉というしかない。
26/3/6(金)