『にっぽんのお婆ぁちゃん』(6/1~6/7)
神保町シアター
特集「水木洋子と女性脚本家の世界」(5/11~6/7)で上映。
去年、菅井きんさんが亡くなったときは、嗚呼、これで「お婆ちゃん女優(略して婆優)」がいなくなってしまった……ととても寂しく思ったものです。近年こそおばあちゃん役といえば菅井きんか樹木希林か、という感じでしたが、かつての日本映画黄金期には、もっとたくさんの婆優がいたものです。
そんな当時の婆優たちがオールスターで出演しているのが、本作。主演の北林谷栄とミヤコ蝶々始め、飯田蝶子、浦辺粂子、東山千栄子、原泉、村瀬幸子、岸輝子、と婆優好きにとっては垂涎ものです! 北林谷栄とミヤコの息の合ったやりとりが見事で、自殺や老いに対するペーソスの中にもユーモアあふれる台詞の数々など、水木洋子節全開となっております。ミヤコ蝶々扮するサトが同居する息子夫婦のヤな感じ! 渡辺文雄が、母親と嫁の板挟みになる複雑な役どころを好演。
なお、本作は「爺優」も勢ぞろいで、特にラスト近くの盆踊りが見もの(中でも左卜全の腰の入り方!笑)です。