どうにも書きにくい作品だ。
とんでもなく面白い。だか、その面白さをどう表現したらいいのか分からないのだ。
「リーアム・ニーソンによる復讐劇」と書くと「ああ、あの感じね」と思われるかもしれないが、お馴染みのテイストとは全く異なる。
麻薬組織、息子を麻薬組織に奪われた父親、麻薬組織と対立する先住民マフィア、事件を追う地元警察の四つ巴の抗争……と書いた字面から浮かんでくるスリリングさは全くない。
次々と人が殺され、バイオレンスシーンが連続する。なのに、過ぎていく時間はひたすらにのんびりと牧歌的なのだ。出てくる人間たちも全員がどこかネジが弛んでいる。そして、この空間がたまらなく楽しく、中毒性が高い。