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鈴木 芳雄
編集者/美術ジャーナリスト
優しいほとけ・怖いほとけ
19/7/25(木)~19/8/25(日)
根津美術館
仏像が如来や菩薩のようにどれもおだやかでやさしい存在だったとしたら、それはありがたいけれども楽しくないかもしれない。信仰の対象である仏像を取り上げて、楽しくないとか言うのは不謹慎だと言われるだろうが、たとえば明王はたくさんの目、顔、腕があり、さまざまな武器を持って、仏法の敵や教えに従わないものを屈服させようとしている。だから、戦隊ものキャラクターになぞらえたりできる。さらに天たちは甲冑に身を包んだ武将の姿で周囲を睥睨するガードマンたちだ。そんな豊かなラインナップが仏像にはあるが、わかりやすく「優しいほとけ・怖いほとけ」と分類して、仏像、仏画に接する機会。釈迦如来、阿弥陀如来を前にほっとし、愛染明王に向き合い気分を引き締める。
19/8/2(金)