かつてコレクター、パトロンとして名を馳せた原三渓の活動を紹介する展覧会。原三渓といっても、いまでは彼が本牧に造園した三渓園くらいしか知られていないが、明治・大正期には古美術や茶道具の収集家として名を成し、横山大観をはじめとする日本画家のパトロンとしても活躍した実業家だ。しかし関東大震災によって一変、震災復興に私財を投じるため作品収集やパトロン活動は自粛。やがて5千点を超えるといわれたコレクションも散逸し、東博や京博、根津美術館、MIHO MUSEUMなどに収まっていく。同展は、三溪の活動を「コレクター」「茶人」「アーテイスト」「パトロン」の4つに分け、自筆の水墨画も含め、古美術から近代日本画までのコレクションを再現している。