ラスト・ムービースター
『ラスト・ムービースター』 (C)2018 DOG YEARS PRODUCTIONS, LLC
バート・レイノルズといっても、最近の映画ファンには、なじみの薄い名前かもしれないが、70年代から80年代にかけては、クリント・イーストウッドと並ぶハリウッドのアクションスターとして有名な存在だった。事実、イーストウッドとW主演した『シティヒート』(80)では夢の共演と話題になったが、イーストウッドが監督としても高く評価されるようになる一方で、しだいにレイノルズは准落し、近年では『ブギーナイツ』(97)の助演で、ようやく盛り返しつつあったのだが。
その彼の遺作が、この作品で、かつては一世を風靡した映画スターが、手作りの小さな映画祭に招待されるという設定からして、現実の彼と二重写し。自虐的なセルフパロディもあるけれど、それがかえって余裕を感じさせ、作者たちのリスペクトもあって、愛すべき作品として胸に迫る。