「みなと毎月落語会」は「立川企画」が主催する落語会で、毎月落語家の組み合わせに妙味のある二人会中心のプログラムが組まれている。
10月は立川志らくと柳家喬太郎の二人会。志らくと言えば、映画の名作を古典落語に重ね合わせて落語の新しい世界を描く「シネマ落語」がよく知られている。以前、『文七元結』を高座にかけながら、長兵衛親方ならこの役者、「佐野槌」の女将だったらこの女優、文七はこの俳優が合うと、噺を運びながら、登場人物を想像させ、造形してゆく手法が面白かったことを思い出す。
一方、喬太郎は古典と新作の二刀流の名手にして、『歌う井戸の茶碗』のようにミュージカル仕立ての落語を創作したりしている。
二人に共通するのは、時にシニカルと思えるほどに諧謔的に世の中を鋭く批評する眼で笑いをとる点で、才気あふれる現代の最先端を往く落語家である。滅法面白い落語会になる予感がする。