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オサム・ジェームス・中川 Witness Trees

23/5/17(水)~23/7/1(土)

PGI

Tule Lake 01, Newell, California ©Osamu James Nakagawa

PGIでは3回目となる、オサム・ジェームス・中川の個展を開催する。
オサム・ジェームス・中川は、アメリカを拠点とする写真家だ。日本とアメリカという二つの国にまたがる自身のアイデンティティをベースに、「歴史の中の個人」という視座から、社会や場所が持つ記憶を、写真を使って表象している。中川は、パンデミックの影響で2020年と2021年に予定されていた展覧会が全てキャンセルになると同時に、教壇に立っている学校も一時的に閉鎖されたことで、アトリエでの制作も困難になるという不安定な状況に直面した。予定していた沖縄での撮影行も叶わず、輪をかけるようにジョージ・フロイド事件が発生、ブラック・ライブズ・マターのデモや暴動が各地で起こった。1970年代に移住した当時と同じような人種差別を肌で感じる日々、時間だけは刻々と進み、自分を見失うような感覚を感じた時、制作のテーマでもある自身のアイデンティティへの問いに改めて深く向き合うことになった。特に、トランプ前米大統領がコロナウィルスに関して発言した「中国ウィルス」という言葉の影響で、自身が生活する地域でも、アジア人に対する差別感情による犯罪が起こったことをきっかけに、「日系」ということについて思いを巡らせることになった。その中で、戦前にアメリカへと移住した日本人家族と、中川のように高度成長期にアメリカに移り住んだ日本人家族では、根ざしている記憶にはっきりとした違いがあるのではないかと考え始めたという。
新作となる本作「Witness Trees」は、コロナ禍の2022年初頭に制作が始まった。それはアメリカ各地に残る日系アメリカ人強制収容所を回る旅で、2022年2月中旬から10月にかけて計3回、アーカンソー州、コロラド州、ニューメキシコ州、アリゾナ州、カリフォルニア州南東部、ユタ州、アイダホ州、カリフォルニア州北東部、オレゴン州、ワイオミング州、ノースダコタ州、ウィスコンシン州の11の州、19の日系アメリカ人強制収容所を訪れている。
初めに訪れたアーカンソー州のローワー収容所で、木の影の中に立ったセルフポートレートを撮ったことから、各収容所で自身の姿を写すことを始めた。そうした中、コロラド州のアマチ収容所(正式名称、グラナダ収容所)でバラック小屋の土台だったと思われるコンクリートの塊のそばに立っている木が気になり、ポートレートのように撮影したのがこのシリーズのきっかけとなった。
本展では、デジタルピグメントプリント約20点をご覧いただく。

開催情報

ジャンル
ギャラリー

11:00~18:00
日・祝日休廊

料金

無料

出品作家

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