ジャン・ジュリアン & ニコラ・ジュリアン The Gathering

NANZUKAは、ジャン・ジュリアンとニコラ・ジュリアン兄弟による２人展「The Gathering」を開催する。
ジャン・ジュリアンは、1983年フランスに生まれ、2008年にロンドンのセントラル・セントマーチンズを卒業した後、2010年にロイヤル・カレッジ・オブ・アート修士号を取得。これまで、イラストレーターとして、New York Times、National Geographic、Hermès、Vogueなど著名な仕事を多く残しているが、近年は精力的にキャンバス作品や立体作品を用いてのインスタレーションの制作に力を注いでいる。現在、東京のGinza Sixに設置されている巨大なインスタレーションの他に、「Studiolo」展 (Mima Museum, ブリュッセル, 2023)、「Then, There,」展 （Dongdaemun Design Plaza , ソウル, 2022）といった大規模な美術館での個展を成功させている。今回の展覧会では、故郷ブリタニー地方のレスコニルの海景から、昨年東京を訪れた際に記録した光景など、類まれな鮮やかな感性で描き上げた新作のペイティングの数々を発表する。
ニコラ・ジュリアンは、1985年生まれ、パリを拠点に活動する彫刻家、音楽家、映像作家。特に2005年から電子音楽を制作しており、ソロアルバム、映画、アーティストビデオ、没入型インスタレーションのサウンドトラックを制作するなど、幅広い創作活動を行なってきた。近年、兄のジャン・ジュリアンのサポートもあり、木彫作品の制作に没頭し、活発に展覧会活動を行なっている。 そのウィットに富んだ遊び心、鮮やかな色、親しみやすいフォルムを持つ作品は、ニコラの柔らかい人柄とも相まって、日々心地よい進化を遂げている。また、兄のジャンとジュリアンブラザーズ・スタジオとしてアニメーション作品の制作にも力を注いでいる。
「ギャザリング」は、ジャンとニコラ兄弟が、日常的に遊んでいるカードゲーム「Magic: The Gathering（マジック：ザ・ギャザリング）」に由来する。本展のテーマは、彼らが日常生活の中で発見した魔法とファンタジーを作品の中に召喚する事だ。
ジャンにとって、浜辺で遊ぶ人々のシルエットはゾンビに、朝霧の中のサーファーは亡霊となり、ダイバーは人魚に変わる。各々の作品のタイトルにご注目いただければ、ジャンが発見した架空の物語の一端を知ることができるだろう。
一方、ニコラのインスタレーションは、擬人化された生き物たちが登場する。これらの登場人物たちは、まだ描かれていない物語へと私たちを誘う。展覧会会場では、このさまざまな生き物たちが奏でる奇妙で不気味なサウンドトラックが流れる。 また、NANZUKA2Gでは、潜水艦のインスタレーションを発表する。
本展は、ジャンと弟のニコラによる二人展という形式を取るが、神宮前NANZUKA UNDERGROUDにおいては、１Fにジャンのペインティングを展示、２Fにニコラの木彫作品を展示する。また、3110NZ by LDH kitchenはジャンの、NANZUKA 2Gはニラコの展示をそれぞれ行う。普段から非常に仲睦まじい兄弟は、クリエイティブにおいてもお互いを補完し合うような絶妙の関係性を築いている。ニコラの彫刻作品は、よりユーモアとウィットに富んでいるが、その柔らかい印象はジャンのペンティングにより広い幅を与える。また、ジャンのピュアな創造性は、ニコラの彫刻作品に物語性や時間軸を与える。私たちの心を一瞬で掴んで離さない、二人の自由で優雅な発想は、表現活動の素晴らしさを力強く物語っているようだ。
本展のために、ジャンとニコラが来日し、10月6日 (金)17:00 - 20:00に神宮前NANZUKA UNDERGROUNDにてオープニングレセプションを開催する。また、10月7日 (土) の午後に、現在GINZA SIXにおいて開催中のNouNouのPOPUPにて、ジャンのサイン会を予定している。