第35回 東京国際映画祭

日比谷・有楽町・銀座・丸の内地区に会場を移して2年目。昔ながらの映画の街らしく華やかに開催される。オープニングを飾るのは、二宮和也が第二次世界大戦でシベリアに抑留された男の壮絶な半生を演じる『ラーゲリより愛を込めて』（監督：瀬々敬久）のワールドプレミア。クロージングは黒澤明の傑作をイギリスで再映画化した『生きる LIVING』（監督：オリヴァー・ハーマナス、脚本：カズオ・イシグロ）。「コンペティション」、長編3作目までの監督を対象としたコンペ「アジアの未来」、日本公開前の最新作をプレミア上映する「ガラ・セレクション」、世界の国際映画祭で話題になった作品を集めた「ワールド・フォーカス」など、多彩な主要９部門が並ぶ。東京国際映画祭関連企画として世界の映画人をたたえる黒澤明賞が復活したのも今年の話題。映画祭では「黒澤明の愛した映画」と題し、黒澤監督が敬愛した『黄金狂時代』『ミツバチのささやき』『フィツカラルド』や自身の『隠し砦の三悪人（4Kデジタル・リマスター版)』など7本が上映される。