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リアルライフ・エスケープ・ルーム

20/9/25(金)~20/11/7(土)

KANA KAWANISHI GALLERY

鯰(なまず)は、2018年に結成された表良樹、藤村祥馬、森山泰地によるチーム。個々にアーティストとしても活動する3人は、茨城県取手市に活動拠点を置き、日常的な飲み会を軸としながら、制作や生活の中で感じる「日常」を起点に、パフォーマンスやインタラクティブな要素を取り入れながら活動をしている。
彼らが活動拠点とする茨城県の取手市は「郊外」であり、それぞれが生まれ育った地域も「郊外」である。多くの作家は発表の場所を首都圏で行いながらも制作拠点を郊外に構えているが、鯰の活動はその多くの作家がもつリアリティーを現していると言えるだろう。メンバーそれぞれの特異な着眼点や得意領域をあえて衝突させながら、首都圏では成立し得ない、郊外のダイナミズムを作品に昇華させている。
例えば、2018年11月東京・天王洲にて「鯰」として行ったパフォーマンス《荷積み》では、各々が普段制作するアトリエから集めてきた資材や、過去に制作に際して使用した廃材、あるいは作品本体そのものを軽トラックに積み上げていくパフォーマンスを行った。
多くのアートコレクティブでは各メンバーの役割等が定められているが、鯰はそういった社会構造を構築していない。制作を通して起こるコミュニケーションのズレや、時におこる衝突をあえて作品の中に取り入れる事によって、作家と鑑賞者の「見る、みられる」の関係性を問い直す試みも行う。例えば《荷積み》のパフォーマンスでは数日間決まったルールを定めずに、資材等を次々にトラックに積み上げていったが、その過程ではメンバー同士が言い争いを始めたり、それぞれが持つ経験の相違やノリの集積によって、鑑賞者は一部置いてけぼりになる状態が生じた。
また2019年11月に開催された鉄工島フェスでは、「部屋」を作り、そのなかで飲み会を行う作品《Chill House》を発表。リサイクルショップで収集した物や、日常で出るゴミを利用して作られた「部屋」は、部屋自体が大きく揺れたり、水が流れてきたり、日常のようで日常ではないあらゆる出来事が巻き起こる。そのような状況下にあっても、部屋の中で「飲み会」を続ける人々を俯瞰的に鑑賞できる作品は、地震や水害に毎年のように見舞われるようになった日本列島に住まう私達自身の生活を投影しているとも言える。
これらの作品を経て、このたびKANA KAWANISHI GALLERYで初めて開催される個展では、先のみえない混沌した世界へと否が応でも誘導し、観察を通して出口を見出そうとする、大型インスタレーション作品を発表する。
また会期中には『リアルライフ・エスケープ・ルーム de CHILL』と題し、メンバー3名とゲストを招き、展示会場で「CHILL」する様子をライブ配信にてお届け。
世界中で長引くコロナ禍の只中で、生活も仕事も一緒くたに大幅な変化を強制される今だからこそ提示可能な、「出口を見出す」ための展示を楽しめる。

開催情報

ジャンル
ギャラリー

13:00~19:00
日・月・火・祝休み

料金

無料

出品作家

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