繊細な色味と出会う 春の南桂子展「あの木の向こうがわ
20/3/17(火)~20/7/26(日)
ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
線は、物語を綴る。そこに、心に眠るいくつかの気持ちに誘い出されて、柔らかな色が集まる。そうして生まれた絵の中の小さな鳥や魚はやさしさに包まれながら、私たちの知らない向こうがわを眺めている。
銅版画家・南桂子(1911-2004)は富山県に生まれ、高等女学校時代からや詩作に試み、のちに20世紀を代表する銅版画家となる浜口陽三との出会いをきっかけに、1953年に渡仏、銅版画家の世界で作品を作り続けた。制作拠点はパリやサンフランシスコだったが、南作品は、本の表紙やユニセフのカードを通して、いつも身近なところにあった。近年では高校の教科書の表紙に使われるなど、今なお作品の新しい魅力は発掘され続け、世界中の人々に親しまれている。
本展では、春をテーマに構成した作品約60点を、繊細な線と色から語られるもの、静けさそのものを大切に展示。浜口陽三の作品10点も併せて紹介する。春の輝きのなかで展示される作品の数々を、ゆっくりとご堪能いただきたい。
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