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【当面の間休廊】淺井裕介「なんか/食わせろ」

20/3/7(土)~20/4/18(土)

ANOMALY

空から大地が降ってくるぞ 2019年 WULONG LANBA ART FESTIVAL 2019 展示風景(重慶、中国) ©Yusuke Asai

土、水、埃、小麦粉、テープ、ペンなど身近な素材を用い、あらゆる場所に奔放に絵を描き続けるアーティスト、淺井裕介(1981年、東京生まれ)。角砂糖の包み紙やコースターの裏に描かれた小さなドローイングから、室内を覆い尽くすような巨大壁画まで、作品を受け止める場所や環境にしなやかに呼応するように、その作品のスケールは様々である。
尽きることなく生み出される、植物、動物、人間、また動植物と人間のハイブリッドを思わせる神話的なイメージなどの根源的なモチーフは、画面に隙間なく併置され、大きな生き物の中に入れ子状に小さな動植物が現れるなど、生態系の構造を表すかのように、実物の世界をしのぐほどの細密さ、複雑さをもって描かれる。
淺井の作品は、主に、各地で採取した土と水で描く「泥絵」シリーズ、アスファルト道路に用いられる熱溶着式路面標示シートをバーナーで焼き付けて描く「白線」シリーズ、マスキングテープに耐水性マーカーで描く「マスキングプラント」シリーズの三つに分類され、アトリエでの個人の制作にとどまらず、屋外の大規模なプロジェクトでは、友人やボランティアなど第三者との共同作業を交えながら制作する。変化を受け入れながら成長を楽しむように作られていくその過程は、都市に不足し必要とされる「野生」を植え付けていくかのごとくダイナミックに展開される。
淺井の主な個展には、「淺井裕介―絵の種 土の旅」(2015-2016年 彫刻の森美術館)、「yamatane」(2014年 Rice University Art Gallery、ヒューストン)などがあり、近年の主な展覧会やプロジェクトには、「Shanghai Urban Space Art Season 2019」(中国)、「Reborn-Art Festival 2019」(石巻)、「武隆ランバ国際 大地芸術祭」(2019年 中国)、「横浜美術館30周年記念 アートと人と、美術館」(2019年)、「生きとし生けるもの」(2016年 ヴァンジ彫刻庭園美術館)、「飛生芸術祭」(2015-2019年 北海道)、「瀬戸内国際芸術祭」(2013-2019年)、「越後妻有アートトリエンナーレ2015」、「ウォールアートフェスティバル」(2010-2019年 インド、猪苗代)などがある。青葉市子、古川麦などのミュージシャンや、建築家、ダンサーとのライブ共演も多数。近年では海外での発表も増えている。
4年ぶりのギャラリーでの個展となる本展では、生命が世界に顕現する時に発せられる野生の叫び声や、感情の初めての発露といえる言葉「なんか/食わせろ」をキーワードに、最新のドローイングおよびペインティングを展示する。
ここ数年の間、淺井は、ユーラシア大陸を巡る旅の道中に描いた数多のドローイング、天王洲の30×40mの巨大壁画、横浜美術館の円形壁画、中国・重慶で手がけたドーム状の天井壁画、250mの上海の地上絵、 北アイルランドや石巻、猪苗代での泥絵など、各地での制作過程で、「野生」について多くを学び、思考を深めてきたと言う。
淺井が初めて土を素材として用いたのは、2008年に参加したインドネシアでのグループ展で、現地の土と水を用いて壁画を描いた時まで遡る。特別な画材に頼らず、誰しもの足元にあり、身近にあるがゆえに見過ごされがちな土を、色や粒径、粘度など、気候や地形によって異なる特性を生かしたまま画材として作品に取り込み、独自のスタイルを確立している。
昨年末には、Reborn-Art Festivalで出会った牡鹿半島の食猟師・小野寺氏の猟に同行し、採取した野生の鹿の血液を新たな素材としてペインティングを描くという初の試みにもチャレンジした。
ブリコラージュから生まれる淺井の絵画は、わたしたちの日常に豊かでオルタナティブな視点と新しい発見をもたらしてくれる。何者にも抑制されることのない、原初的ともいえる淺井の表現は、わたしたちの意識や感覚を拡張し、刺激し続けるだろう。

開催情報

ジャンル
ギャラリー

11:00~18:00(金曜は20:00まで)、日曜・月曜・祝祭日休廊

料金

無料

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