オムニスカルプチャーズ ー 彫刻となる場所
21/4/5(月)~21/6/20(日)
武蔵野美術大学美術館
様々な思考を形象化する現代彫刻の姿は、一つの様式には収まらず多様な表現方法によって拡張し続けている。本展で紹介する、現代彫刻を牽引する11 名の作家たちは、世代もさることながら、彫刻への考え方や向き合い方も各人各様で、木、鉄、石、FRP など扱う素材や技法も多岐にわたる。それぞれの彫刻は固有のベクトルや解釈可能性を持ち合わせており、まさに現代彫刻の全方位性を体現するかのような彫刻家が集まったといえる。
一方で、彫刻は自律的であると同時に、実体として定立するためには場所性とも不可分であり、周囲の環境との関係性が重要な要素だ。本展会場は、建築家の芦原義信が1967 年に設計した、ブルータリズムの影響を受けたモダニズム建築であり、その後さらに異なる建築思考による二度の改修を経て、特有の空間となっている。この空間のなかで、画家の杉戸洋が展示構成に介入し、一つの触媒となることで、11名による彫刻のこれまでにない関係(あるいは共生性)を誘発する。そして、展示空間全体もまた一つの表現性を有することで、この場所をめぐって、彫刻の現在とこれから、その姿が立ち現れる。
なお出品作品に関連するドローイングなど、作家ら固有の思考の一端がみえてくる資料も公開する予定。彫刻の全方位性を示す「オムニ彫刻」をひとつのキーワードに、多様な思考や解釈が入り組むなかで、新たな表現への展開を探る。
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