セメントの記憶
19/3/23(土)
ユーロスペース
祖国の破壊と隣国の建設、中東の今を見つめる
中東、レバノンの首都ベイルートで暮らす、シリア難民の労働者をクローズアップしたドキュメンタリー。自身も戦火のシリアを逃れて移住しているジアード・クルスーム監督が、同胞の苦境を見つめていく。シリアでは戦争に破壊され、レバノンでは建設に使用される“セメント・コンクリート”を象徴的に配し、中東の不安定な政情を浮き彫りにする。
内戦終結から20年、復興が進むベイルート。シリアから逃れてきた人々が、この地で建設業の仕事に勤しむ。夜間の外出が禁じられた彼らは地下ルートを通じ、現場と地下住居の往復を強いられている。その頃、祖国シリアでは戦火により瓦礫の山が築かれていた。