【3月20で閉幕】ゴッホ展
20/1/25(土)~20/3/29(日)
兵庫県立美術館
フィンセント・ファン・ゴッホ《 糸杉 》 1889 年 6 月 油彩・カンヴァス 93.4 × 74cm メトロポリタン美術館 Image copyright © The Metropolitan Museum of Art. Image source: Art Resource, NY
1880 年、27 歳の頃に画家を志したフィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh, 1853-1890)は、画業の初期にハーグ派の影響を受けた。特に、中心的な画家のひとり、アントン・マウフェ(Anton Mauve, 1838-1888)と縁戚関係にあったことから彼に直接の指導を仰ぎ、その後、ハーグに移住して他の画家たちとも交流する。ヨゼフ・イスラエルス(Jozef Israëls, 1824-1911)やヤコプ・マリス(Jacob Maris, 1837-1899)、マテイス・マリス(Matthijs Maris, 1839-1917)のマリス兄弟らを中心としたこのグループは、街の近辺で出会う身近な風景を描いた。対象を正確に写し取るのではなく、示唆に富んだ筆致で仕上げた彼らの絵には、時としてスケッチのような趣が残されている。このように、細部ではなく印象を重視した手法をファン・ゴッホはまず身に着けたのだ。その後彼はパリに出ると、印象派が打ち出した鮮やかな色遣いに出会ってその虜となり、色の表現力を学び、 実践するようになる。
本展では、このようにファン・ゴッホの画業の初期から、印象派の洗礼を受けて独自のスタイルを確立するまでを追う。ファン・ゴッホ自身の絵画やドローイングに合わせて、彼の絵の基礎になり、方向性を決定づけたハーグ派と印象派の作家たちの作品も展示することで、ファン・ゴッホがファン・ゴッホとなるまでの過程を見るご覧いただけるだろう。短くも豊かな画家としての人生を、作品と彼自身の言葉を通してご覧いただきたい。
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