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濱田祐史 『 K 』

19/12/12(木)~20/2/5(水)

PGI

濱田祐史の最新作となる『 K 』は、『C/M/Y』、『R G B』に続く、色と光を考察する三部作の最後の作品となる。
『C/M/Y』(2015)では色の三原色をテーマに、デジタルポラロイドを用い、膜面をシアン、マゼンタ、イエローに分離し、イメージと色を再構成した。「画像/イメージとは何か」という問いに端を発し、写真における色と形を考察する作品となった。
光の三原色をテーマにした『R G B』(2018)では、制作当時に入手可能なネガフィルムを集め、実体を写さず影を撮影することで「〇〇は何色」という既成概念から鑑賞者を解放し、フィルムの再現性を最大限に生かして色を標本するような手法を用いた。
本作のタイトル『 K 』は、印刷で使用する四つの原色である、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(キー・プレート)の「K」、そして、色温度を示すケルビンの「K」である。
「当たり前に同一とされている事象の認識のズレを写真によって可視化して鑑賞者と共有すること」が、濱田作品のテーマの根底には常に置かれている。
本作では色をモチーフに、そのズレを描くことに挑戦している。
誰もが共通する色を連想するような物や状況を被写体に選び、カラーとモノクロのフィルムで二度シャッターをきっている。二つの同じ被写体を写したネガを、カラーの印画紙に多重露光した。
モノクロ画像とカラー画像が重なることで、プリントに現れる色は、現実の色よりも彩度がおち、普段私たちが思い浮かべる「色」とは異なる色が生まれる。また、撮影時のフィルム交換による時間のギャップが、実際のプリントに物理的なズレを生じさせている。
「見知っているものと違う」という違和感を写真で描くことで、個々人の認識や記憶、または時間の経過によって対他者ではなく個人の内でさえも変化する、ものを見る視線の多様さが表現されている。作品を鑑賞する私たちがそのことへ思いを馳せることで完成する作品ともいえるだろう。
作者は「誰かの感じている色についての話は、夢の話と似ていてなかなか共有できない面白さがある。私はそう言った理解できるものと理解できないものとが同居しているものに「美しい矛盾」を感じる。」と語っている。
クロモジェニックプリント約30点を展示する。

開催情報

ジャンル
ギャラリー

11:00~19:00(土曜は18:00まで)、日曜・祝日・展示のない土曜日休館、12月25日~1月7日休廊

料金

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