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生誕100年 斎藤博之 絵本のしごと

20/2/22(土)~20/4/5(日)

小杉放菴記念日光美術館

躍動感あふれる馬の姿を描いた油彩画や、飄々とした河童の世界を描いた水墨画、自らの戦争の体験に基づく兵士たちを描いたペン画など、幅広いテーマの作品を手がけ、洋画家であり、水墨画家としても活躍した斎藤博之。彼の画業を語る上で、もう一つ欠かせない作品が、伸びやかな線と、豊かな色彩で描かれた絵本の原画の数々だ。
斎藤博之は、1919(大正8)年、旧・満州国の奉天市(現在の中華人民共和国遼寧省瀋陽市)に生まれた。1939(昭和14)年に上京し、帝国美術学校(現在の武蔵野美術大学)西洋画科に入学。在学中に一度は独立展に出品して入選したが、それ以降は、どの美術公募団体にも所属することなく、1987(昭和62)年に67歳で亡くなるまで、個展を中心に制作を続けた。
そのような活動の傍ら、1940年代末頃から手がけるようになった絵本の原画や挿絵の仕事は、晩年まで続き、斎藤の絵が掲載された、絵本をはじめとする児童書や雑誌の数は、現在確認できるだけでも300冊近くにのぼる。
また、1971(昭和46)年には、斎藤が原画を描いた絵本『しらぬい』(たかしよいち作・岩崎書店)が第2回講談社文化賞の絵本部門賞を受賞。その翌年には、絵本『がわっぱ』(たかしよいち作・岩崎書店)ほか一連の作品によって第21回小学館絵画賞を受賞している。さらに、スロヴァキア共和国の首都ブラティスラヴァで2年ごとに開催される世界最大規模の絵本原画コンクール「ブラティスラヴァ世界絵本原画展」への日本からのノミネート作品として、1973年(昭和48)年に『がわっぱ』、1975(昭和50)年には『カッパと三日月』(佐藤さとる作・あかね書房)の原画が2回連続で選ばれた。これらの業績により、斎藤は絵本作家としても高い評価を受けている。
斎藤にとって、絵本や挿絵の仕事は、生活の糧を得るための手段だったが、依頼を受けて描くという制約の多い作業なかで、苦労を重ねながらも、これまでの画業で得た技術を活かしながら、見るものをその世界へと誘う、味わい深い作品を紡ぎだした。
同館では、2007(平成19)年度に斎藤博之のご遺族より、油彩画をはじめ日本画、ペン画、絵本原画といった数々の作品を寄贈いただき、翌年に「孤高の画家 斎藤博之-洋画と日本画と」展を開催して好評を博した。そして今回は、斎藤博之の生誕100年を記念して、同館のコレクションのなかから、15タイトルにわたる絵本の原画を中心に紹介することで、絵本作家としての活動に迫る。

開催情報

ジャンル
美術館

9:30〜17:00、月曜日休館(祝日は開館し、その翌日を休館)

※入館は閉館の30分前まで

料金

一般730(650)円、大学生510(460)円、高校生以下無料

※( )内は20名以上の団体割引料金
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた方とその付き添いの方1名は無料
※第3日曜日「家庭の日」(3月15日)は、大学生は無料
※3月20日(金・祝)は、「日光市民の日」協賛事業として入館無料

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