Vaughn Spann Scorched Earth and The Weeping Sun

ⒸVaughn Spann

カイカイキキギャラリーは8月30日より9月21日まで、アメリカ人アーティストのヴォーン・スパンによる個展「Scorched Earth and The Weeping Sun(焼け焦げた大地と涙する太陽)」を開催する。
ヴォーン・スパンは、抽象と具象、そのどちらにも全力で取り組み、空間と時間、そして記憶を探求する作家である。彼はごく私的な空間から主題を見出し、スタジオの内外で自らの肉体性と折り合いをつけていく。形式主義に心酔し、色と線、そして形 状というレンズを通したうえでペインティングにアプローチすることを楽しむスパンだが、一方で主観を制作から単純に切り離すことはできないという事実を理解していることがみてとれる。彼にとって形式とは、観る人の心を掴んで離さないコンテンツを生み出すためのインパクトを備えた手段なのである。彼が生み出すペインティングの全てに形式への探求心が息づいているが、それは、多種多様な人や場所との出会いを象徴的に映し出している。自らの特徴としてよく知られている様式の横断という手法を通じて、彼は従来の枠にとらわれない素材を採り入れる実験を精力的に重ねながら、私的な、また歴史的な物語を紡いでいく。