傷だらけの挽歌

J・H・チェイスの『ミス・ブランディッシュの蘭』の映画化。原作は1931年禁酒法時代のカンザス州で、ある令嬢の身の上に起こった、実際の凶悪な誘拐強盗殺人事件をモデルにしたもの。アルドリッチはそれをバイオレンス・アクションで味付けし、製作当時流行していた1930年代の風俗も取り入れながら屈折した生々しい映画にした。Ｓ・ウィルソンが扮した、誘拐グループの一員のマザコンぶりが光る。