海を渡る祭礼
港町の宿屋・浅野屋。毎年祭りの季節になると、年に一度の書き入れ時とばかりに旅芸人や香具師たちがここにどっとやって来る。ガマの油売りに猿回し、祭文語りやら鼠取りまで。なじみの顔ぶれだが、今年は一人新顔の居合抜きの浪人が皆の注目を集めていた。祭りの前日、境内での地割りが決まった一同を尻目に、突然やって来た馬芸の一団が手荒に縄張りをしたことから雲行きが怪しくなって……。名匠、稲垣浩が「宮本武蔵」四部作の合間に手掛けた傑作時代劇。貧しい庶民たちの連帯を情感豊かにうたい上げる。
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