ハルムスの幻想

最後のロシアン・アバンギャルド、“異端の作家”ダニエル・ハルムスの夢と現実の交錯する二日間を描いた異色のユーゴスラビア映画。時代は1938年の夏。彼が秘密警察に逮捕されるまでの二日間の出来事を描く。当局の尋問を受けていたハルムスが久しぶりにアパートに帰ってきた。ほこりのたまった部屋にたたずんでいると、突然天使が現れ、奇妙な幻想の世界が始まる……。ユーゴ映画界の気鋭、ペシチ監督はモノクロとカラーを巧みに使い分け、美しい映像でマルチ・アーティスト、ハルムスに迫る。アイデアはハルムスの著作より得て、美術は当時のものが復元された、見どころ多い一編。