一人と八人

中国ニューウェーブ・シネマ史上最初に作られた作品として記念すべき傑作。共産党の王指導員はスパイ容疑で牢にぶち込まれる。同じ牢の部屋には８人の犯罪者たちがいて、彼らは一様にこの新参者を煙たがった。ある時、彼ら“１人と８人“は別の地の牢に移ることになり、一緒に平原を旅していく。そこに日本軍が侵攻してきて、彼らを率いる兵士たちは次々と殺されてしまう。反目し合っていた“１人と８人“だが……。「黄色い大地」より先に完成していたものの、抗日戦争期の共産党の査問を描いていたため公開が遅れた作品。脚本に「黄色い大地」のチャン・ツーリァン、撮影が「菊豆」のチャン・イーモウなど、ニューウェーブ初期ならではの充実したスタッフが脇を固めている。