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FANTASTICS 中尾翔太の夢はいつまでもーーダンスが紡いだEXILE TRIBEの絆

リアルサウンド

18/7/11(水) 13:00

 FANTASTICSのパフォーマー中尾翔太が、7月6日午前7時23分、胃がんのため、東京都内の病院で死去した。22歳だった。所属事務所のLDH JAPANが8日に発表し、EXILE HIROを始め、EXILE TRIBEのメンバーらが追悼コメントを寄せている。葬儀は近親者で営み、後日お別れの会を開く。

(関連:GENERATIONS、THE RAMPAGE、FANTASTICS……ライブ経験を重ねて成長するJr.EXILEたち

 FANTASTICSは、リーダーであるEXILEの世界と佐藤大樹、総合エンタテインメントスクール「EXILE PROFESSIONAL GYM(EXPG)」より選抜された中尾、澤本夏輝、瀬口黎弥、堀夏喜、木村慧人の7人で2016年12月に結成。昨年12月に行われた「EXILE Presents VOCAL BATTLE AUDITION5~夢を持った若者達へ~」で合格したボーカリストの中島颯太、八木勇征が加わり、9人で新たなスタートを切っていた。

 中尾が今年3月に活動の一時休止を公表して以降、4月から6月にかけては、メンバー8人が日本全国を周るフリーライブツアー『夢者修行 FANTASTIC 9』を行い、中尾とともにデビューすることを目指していた。EXILE HIROも「全力でサポートしていく」と表明し、5月にリリースされたEXILEの配信シングル「Turn Back Time feat. FANTASTICS」では、EXILE TRIBEのメンバー50人が中尾へのエールを送った。

 FANTASTICSをフィーチャリングに迎えた「Turn Back Time feat. FANTASTICS」は、EXILE TAKAHIROが作詞とMVのプロデュースを手がけた楽曲で、ジャケットにはFANTASTICSのメンバー9人がお互いの腕を掴み、強い絆を表現する写真が使用されていた。生前、この楽曲を聴いた中尾は、FANTASTICSの公式ブログにて、「この歌を僕自身初めて聴いた時は、色々な想いと感情がこみ上げてきて、とても感動しました!(中略)正直皆さんの支えが無かったら、ここまで強くいられる事は出来ていなかったと思います、どこかで負けていたかもしれません。ですが、僕には沢山のパワーを持っている方からの応援や、サポートしてくれる方がいるので、今でも”病気に勝つ”という気持ちを持ち続けられています」と綴っていた。EXILE TRIBEのメンバーのメッセージは、どれも心がこもったもので、病床の中尾を大いに励ましたことは想像に難くない。

「“友”よ! 一緒にやりたい事まだまだあるから頑張ろうぜ!!」

 そう記したのは、GENERATIONS from EXILE TRIBEの佐野玲於だ。佐野玲於は、中尾と学生時代からの友人であり、ともに“KRUMP”というスタイルのダンスを得意とするライバル同士でもあったという。KRUMPは、ロサンゼルスのサウスセントラルで生まれたダンスで、その語源は「Kingdom(神の国)」「Radically(素晴らしい/根本)」「Uplifting(精神的高揚)」「Mighty(偉大)」「Praise(神への賞賛)」の各頭文字を取ったものだ。(参考:KOB ent./ABOUT KRUMP)エナジーや感情を表現するアグレッシブな動きが特徴で、仲間との高め合いを大切にする文化がある。日本では、EXILE AKIRAらが「RAG POUND」というダンスチームでいち早くKRUMPを取り入れ、以来、国内のシーンを牽引してきた。そんな先輩たちに憧れて、少年時代からともにKRUMPに打ち込んできた佐野玲於と中尾翔太の間には、ダンスでしか分かち合えない深い友情があったのではないだろうか。MVで関口メンディーが送った「レオとのバトルが見たい!」とのメッセージからは、そんな二人の特別な関係性が垣間見えた。

 7月7日に放送された『THE MUSIC DAY 伝えたい歌』(日本テレビ系)に、GENERATIONS from EXILE TRIBEの一員として出演した佐野玲於は、新曲「F.L.Y. BOYS F.L.Y. GIRLS」の間奏のソロパートで、これまでの同曲の振り付けとは異なるKRUMPを披露していた。また、佐野玲於の公式ブログ「Hype Out Days」では、同番組について「“届ける気持ち”でパフォーマンスしました」と綴っていたことから、KRUMPが中尾への追悼だったと見られている。

 最期まで希望を失わずに病と闘い続けた中尾翔太の夢は、EXILE TRIBEのメンバーやファンたちに受け継がれ、これからもその輝きを失うことはないだろう。心からの冥福を祈りたい。(松田広宣)

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