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「赤い闇」監督が持論展開、現代におけるジャーナリズムのあり方語る

ナタリー

20/8/14(金) 17:00

アグニェシュカ・ホランド (c)Alexander Janetzko

「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」を手がけたアグニェシュカ・ホランドのインタビューコメントが到着した。

ヨシフ・スターリン統治下のソ連の闇に迫った実在のジャーナリスト、ガレス・ジョーンズを描く本作。「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」のジェームズ・ノートンがジョーンズを演じ、共演にはヴァネッサ・カービー、ピーター・サースガードが名を連ねた。

インタビューではジャーナリズム論を展開したホランド。まず「どんな些細なものであっても真実を見つけ出すというのは極めて難しいことです。だから私はより控えめな表現、『事実(ファクト)』という表現を使っています。事実というのは、あなたが見て、確認したことです」と説明。「それ以外のことには意見が問われますが、事実に関しては、そのこと自体にフィジカルな面が存在します。つまり客観的な部分が存在し、それをチェックすることができる」と話した。

加えて「だから私は特にインターネットやSNSでどういうわけか誰でもジャーナリストになれて、情報を発信することができ、ニュースをコントロールできないような時代には、事実(ファクト)を調査するジャーナリズムが重要になると思います。これはジャーナリズムのほかのどの側面よりも大切なことだと私は考えています」と語る。

また、映画の舞台となる1930年代と、今日のジャーナリズムは似た状況に直面していると続けたホランド。「政府というのは正直なジャーナリストの前ではとても謙虚でなければいけないと私は思っています」と言い、「中立であろうとするメディアと、政治的・観念的なイデオロギーには屈せず、より客観的な方法で全体をとらえようと試みているメディア。後者は経済的にひどい状況にいるものです。誰も彼らに資金を払いたいとは思いませんから」と分析する。しかし「正直なジャーナリストというのは民主主義をコントロールする最後の頼みの綱です」と述べ、「だからこそ重要な存在であり、同時にそうあることが難しいのです」とメッセージを伝えている。

「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」は本日8月14日より東京・新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国でロードショー。

Photo by Robert Palka (c)2019 Film Produkcja All rights reserved (c)FILM PRODUKCJA - PARKHURST - KINOROB - JONES BOY FILM - KRAKOW FESTIVAL OFFICE - STUDIO PRODUKCYJNE ORKA - KINO SWIAT - SILESIA FILM INSTITUTE IN KATOWICE

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