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ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞作『運命は踊る』に、森山未來や西川美和らが絶賛コメント

リアルサウンド

18/9/13(木) 13:11

 9月29日公開の映画『運命は踊る』に各界著名人が絶賛コメントを寄せた。

 監督・脚本を務めるのは、本作が長編2作目となるイスラエルのサミュエル・マオズ。自身の戦争体験を基に作り上げたデビュー作『レバノン』で、ヴェネチア国際映画祭グランプリ(金獅子賞)を受賞。本作では、再びヴェネチア国際映画祭で審査員グランプリ(銀獅子賞)を受賞。2作連続で主要賞を受賞した。

 ミハエルとダフナ夫妻のもとに、軍の役人が、息子ヨナタンの戦死を知らせるためにやって来る。ショックのあまり気を失うダフナ。ミハエルは平静を装うも、役人の対応にいらだちをおぼえる。そんな中、戦死の報が誤りだったと分かる。安堵するダフナとは対照的に、ミハエルは怒りをぶちまけ、息子を呼び戻すよう要求する。ラクダが通る検問所。ヨナタンは仲間の兵士たちと戦場でありながらどこか間延びした時間を過ごしている。ある日、若者たちが乗った車がやって来る。遠く離れたふたつの場所で、父、母、息子、3人の運命は交錯し、そしてすれ違う。

 監督自らの実体験をベースに、運命の不条理さ、人生のやるせなさを巧みな構成で描き出した本作。一足先に鑑賞した各界著名人から絶賛コメントが到着した。

●コメント一覧

■森山未來(俳優・ダンサー)
絵画的に塗りこめられ、麻痺した世界から抜け出そうとするときに爆発する感情。
出口は見えず、巡り巡ることがわかっていても、ただ踊るしかない。
彼ら、もしくは人類の根底に流れる宿命を改めてのぞき見た。

■江原啓之(スピリチュアリスト・オペラ歌手)
運命は流れる景色のようなもの。受けとめる人間次第で幸福が決まる。
踊らされるのではなく、踊っているのだ。この映画は、人間への風刺である。

■山内ケンジ(劇作家・映画監督)
かっこいい映画だ。イスラエルの今だ。冒頭から引きこまれる。
超リアルな現実とカフカ的冷笑的現実の対比が、会話が、展開がかっこいい。かっこよすぎるぞ。

■五十嵐太郎(建築批評家)
削ぎ落とされた要素による緻密な物語構成と絶妙なバランスによる画面設計。
鑑賞後、もう一度、頭の中で再生すべき作品である。

■矢田部吉彦(東京国際映画祭プログラム・ディレクター)
重厚と軽妙、悲痛と愉快がこれほど見事に同居する作品は滅多にない。
家族の内面に入りながら、俯瞰で状況を風刺するマオズ監督の演出センスは
世界の頂点レベルだ。傑作。

■姜尚中(東京大学名誉教授)
ホロコーストのトラウマを抱えた国家の、痛々しい運命の悲劇。
人間はかくも残酷で優しいのか。

■赤川次郎(作家)
皮肉な運命のいたずらが、イスラエルという国の「闇」を浮き彫りにする。
戦争が日常となったときの命の軽さにゾッとする映画だ。

■西川美和(映画監督)
この期に及んで「戦争」を描くには、研ぎ澄まされた知恵と洗練が必要だ。
「こどもを戦争に出す」とはどういうことか。
大丈夫。これならちゃんと、目をそらさず、自分ごとのように観られますよ。

■荻上チキ(評論家・ラジオパーソナリティ)
構図、セット、音響、不条理劇――。静かでミニマルな人間模様が、暴風のように翻弄してくる。
理不尽な力を従順に行使する者が、無慈悲な運命に惑わされる姿から、
あなたはどこの社会を連想するだろうか。

(リアルサウンド編集部)

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