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BLACKPINK、ITZYからSWEET REVENGE、FAKYまで アジアからグローバルに活動するガールズグループ

リアルサウンド

21/2/18(木) 12:00

 近年、日本や韓国のガールズグループのグローバル化が進んでいると感じる。これまでアジアを中心に愛されてきた“アイドル”の概念や文化は、欧米のポップスとは切り離されて理解されてきただろう。しかし昨今のK-POPやJ-POPといったアジア発のエンターテインメントが、世界的に見てもメジャーになりつつあるのだ。

 K-POPは韓国国外にも人気のある音楽ジャンルであるが、最近はファン層以外へのプロモーションが増え、新たな動きを見せている。グローバルな人気を誇っているガールズグループとして名前が上がることが多いのは、BLACKPINKだろう。レディー・ガガやセレーナ・ゴメスといった人気歌手とのコラボ楽曲を配信したことで、ファン層以外にもBLACKPINKの名を広めることとなった。また、フルアルバムに収録された「Lovesick Girls」は、特にこれまでの“BLACKPINKらしさ”のある楽曲とは一味違う楽曲であり、現在の人気にとどまらず、世界的なグループとなることへの強い思いも感じさせた。さらには、4人のメンバー全員がソロデビューすることが発表されており、すでにソロ曲を発売していたJENNIE「SOLO」の反響から分かるように、グループとしてだけではなく個人の活躍にも大きな期待が寄せられている。特に、タイ出身であるメンバーのLISAは、中国のオーディション番組『青春有你2』『青春有你3』に講師として出演するなど、欧米に限らず活躍を見せている。

BLACKPINK – ‘Lovesick Girls’ M/V

 ITZYは、1月に「Not Shy」をはじめとするこれまでのリリース楽曲のEnglish Ver.を配信するなど、世界進出への一歩を踏み出したところである。同シングルのリリースに際して行われたオンラインイベントでは、メンバー全員が英語でのナチュラルなやりとりを見せ、世界進出への意気込みを感じさせた。ITZYの醍醐味である“ガールクラッシュ”コンセプトは海外ウケが良いことからも、これからの急成長に期待したい。

ITZY “Not Shy (English Ver.)” M/V in ZEPETO

 このような動きをきっかけに、2組はアメリカのTV番組や雑誌でも活躍し始めているが、K-POP全体で見てもEnglish Ver.を出すことは珍しいわけではない。実際に、ITZYの先輩にあたるTWICEはもちろん、Red Velvetや(G)I-DLEといった特に海外人気の高いグループもEnglish Ver.の楽曲を配信している。そのため、多くの英語圏のファンが一緒にK-POPを歌って盛り上がれることを可能にし、より広い範囲でのK-POPの流行を予感させているのである。

 また、日本でも国外を視野に入れて活動するガールズグループが増加傾向にあるようだ。昨年解散したE-girlsのメンバーとして活動していた武部柚那は、新たにダンス&ボーカルグループ・SWEET REVENGEに参加することが決定している。武部はE-girlsの他にスダンナユズユリーなどのユニットへの参加経験もあり、これまで絶えずパフォーマンススキルを磨いてきた注目株。EXILEや三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEなどの人気グループを輩出してきたLDHは、以前から世界を視野にエンターテインメントを発信する動きがあった。そのガールズグループの本格始動であるとも言えるSWEET REVENGEには、武部の他にLDH主催のグローバルオーディションで選ばれた4人が参加。公開されているメンバーのビジュアルはまさにグローバルな世界観を体現しており、同グループがかつてない強いコンセプトと個性を持っていることを実感させた。さらに、音楽監修を務めるのはグラミー賞を受賞したプロデューサー集団に所属するジョン・イップであることも発表されているほか、6月にはメンバー全員がロサンゼルスに移住する予定であり、デビュー後の期待値はかなり高いだろう。

 avexに所属する“次世代ガールズ・ユニオン“ことFAKYの知名度と人気も急上昇中である。多国籍なメンバー構成で知られているFAKYは現在、デジタルシングルのリリースラッシュを迎えており、その勢いを感じさせている。最新曲「The Light」の振付はノルウェーのダンスクルーであるQuick Styleが担当。同楽曲をはじめとするMVのコメント欄は、半分以上が英語のコメントであり、グローバルなファン層が伺える。J-POPの枠を超えて世界に通用することを目指したという企みは、実現されたといっても過言ではないだろう。また、メンバーはそれぞれマルチな活躍を目指しており、TakiがABEMAで配信されている恋愛リアリティ番組『恋とオオカミには騙されない』に現在出演中である。同番組のシリーズにはHinaも出演経験があり、FAKYにとっては一気に知名度を上げることとなったポイントの一つでもある。グローバル色の強いFAKYだが、結成から7年以上の活動歴があり、まさに今時代がFAKYに追いついたと言えるのではないだろうか。

【MV】FAKY / The Light

 こうしたガールズグループのグローバル化には、偶像に近いものを感じさせる。なぜなら、多国籍や海外がルーツにあるという個性や環境は多くの人にとって“親近感”と対極にあるように思うからだ。つまり、世界という大きな舞台で活躍できることが、現代のカリスマの在り方であるとも感じる。彼女たちが一過性のブームではなく、世界規模で持続的な人気を誇る日はそう遠くないのかもしれない。

■momotoxic
ブロガー。自称”楽曲派”。Twitter:@momotoxic1006

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