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窮鼠はチーズの夢を見る

20/9/8(火)

(C)水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会

切なさがスクリーンから溢れ出し、胸が張り裂けそうな思いに。 愛する人へ伝えたくても伝えられないもどかしさに苦しむ成田凌氏の細やかな仕草や表情がとにかく可愛らしい。そんな彼の思いにどこまで気づいていて、どこまでが本気なのか分からないポーカーフェイスの大倉忠義氏のアンニュイな対応が人を虜にするのだろうし。 じっくりと彼らの顔を捉えるカメラから伝わってくる感情のひとつひとつに、恋というものの熱っぽい刺激と、その裏側に潜む残酷さがジリジリと描かれていくのは行定勲監督の得意分野だからなのでしょう。 彼らを取り巻く女性陣もお見事なまでの演技。自分のものになったはずの相手なのに、どこまでも本心が掴めないし、知るのが怖いという恋をすると発動する防衛本能まで、声のトーンや眼差しでしっかり観客に伝えてくるのだから。 恋の不器用さを描いたのが『劇場』だとすれば、恋という病にかかったままの“微熱”をスクリーンに焼きつけたのが『窮鼠はチーズの夢を見る』であります。

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