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松本白鸚、史上最年長『勧進帳』弁慶役に「覚悟決めた」 高麗屋二代による親子競演実現

ぴあ

(左より)松本幸四郎、松本白鸚 提供:松竹

現在、座席50%(904席)、三部制にて演目・幕間ありの上演を行っている歌舞伎座で、4月より『四月大歌舞伎』(4月3日初日~28日千穐楽)が開催されることが決定。第一部『勧進帳』で武蔵坊弁慶を日替わりで勤める松本白鸚、松本幸四郎が3月15日、取材に応じ、高麗屋二代による、かつてない親子競演への意気込みを語った。

白鸚にとって弁慶は16歳での初演(昭和33年9月歌舞伎座『子供歌舞伎教室』)以来、これまで1150回演じる縁深い役どころ。今回、本興行の『勧進帳』弁慶としては、史上最年長となる78歳での上演となる。

当初は「このご時世、限りなく80歳に近い年齢なので、ちょっと考えた」といい、弁慶を白鸚、富樫左衛門を幸四郎が勤めるA日程、そして弁慶を幸四郎、富樫を尾上松也が勤めるB日程の2パターンで上演されることになると「そういうお話をいただき、覚悟を決めた。この年齢で息子と一緒というのは、うれしいことですし、無事に最後まで勤めていきたい」と静かに闘志を燃やした。

その上で、先輩から芸を継承した役者人生に触れながら「私も次世代に渡していきたい。そういう思いがございます」と語り、「まだ自分がにらみを利かせておりますが(笑)、自分が亡くなった後は、息子・幸四郎が弁慶を勤めてくれると思います。託すことこそ、歌舞伎の伝承であり、歌舞伎が歌舞伎たるところではないでしょうか」と未来を見据えた。

そんな父の言葉に、幸四郎は「今、託すという言葉がありましたけど、いざ舞台に立つと、父はまったくそんなことなくて(笑)」。弁慶という役どころについては「回を追うごとに大変きついものだと感じている。1回1回特別だと思いながら、曽祖父、祖父、そして父が演じた弁慶を演じきりたい」と語り、「いかなる歴史も潜り抜けてきた歴史ある傑作で、皆さまを勇気づけられれば。誇りに思える高麗屋の『弁慶』を自分の体を通してお見せしたい」と決意を新たにしていた。

取材・文:内田涼

歌舞伎座『四月大歌舞伎』

演目
【第一部】午前11時開演
一、『猿翁十種の内 小鍛冶』
二、『歌舞伎十八番の内 勧進帳』

【第二部】午後2時45分開演
一、『絵本太功記 尼ヶ崎閑居の場』
二、『団子売』

【第三部】午後6時開演
『桜姫東文章 上の巻』

2021年4月3日(土)~4月28日(水)
会場:東京・歌舞伎座

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