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「移動祝祭商店街」でF/T19開幕、長島確「ぜひこの場を、この時間を、一緒に」

ナタリー

19/10/5(土) 11:26

セノ派「移動祝祭商店街」ゲネプロの様子。

「フェスティバル/トーキョー19」が本日開幕。オープニング作品のセノ派「移動祝祭商店街」が本日10月5日と6日に東京都豊島区で実施される。

「移動祝祭商店街」は、本作を機に結成された舞台美術家コレクティブ・セノ派の面々が豊島区内の3つの商店街をリサーチし、街の記憶や歴史をもとに山車を作り、練り歩くもの。坂本遼はマンガ家の聖地トキワ荘のあった南長崎エリアを舞台に、“眠り”をモチーフにしたベッド型の山車を、中村友美は旧中山道の板橋宿に近い池袋本町エリアを舞台に、“輸送”をモチーフにしたコンテナを模した山車を、佐々木文美は飲食店街で神社もモスクもある大塚エリアを舞台に、シンボリックな“門”をイメージした山車を作り上げ、杉山至は全体を統括する。なお「移動祝祭商店街」は「第1部 みちゆき」「第2部 まちまち」の2部構成で、いずれも参加は無料、予約不要となっている。

第2部の振付は、Baobabの北尾亘が担当。出演者には北尾のほか、飯森沙百合、伊藤まこと、植田崇幸、快快の河村美帆香、木原浩太、桑原史香、後藤かおり、小麦粉くり子、玉田伸太郎、手代木花野、沼田駿也、バスタブNYのHEIDI、はらぺこ満月の星茉里、Baobabの目澤芙裕子、八木光太郎、快快の山崎皓司が名を連ねた。

「移動祝祭商店街」開幕に際し杉山は「ダンス公演なのかお祭りなのか、ぜひ観てもらって、野外ですから空気や環境を感じてもらって、大塚の街の魅力や楽しみを、1時間半、一緒に共有できたら」と語る。北尾は「街が持っている空気、景色を捉えようというのが、セノ派の試みならではの取り組み」「身体の面、コレオグラフィーの面でも割と繊細に身体に起こせているのでは」と手応えを述べる。

また「フェスティバル/トーキョー」ディレクターの長島確は「これは舞台芸術の側からの、街へのラブコールだと思ってます」と言い、「今回、単に劇場と同じことを無理やり街に持ち出すということではなく、街の風景やそこに生活してる方たちと、どういうふうに一緒にいられるかを考えることがとても大事なポイント」と述べる。さらに「風景が(作品によって)何か変わったり、見えてなかったものが見えてきたり、その時間がすごく面白いものになってると思います。ぜひ来て、この場を、この時間を、一緒に体験してもらえるといいなと思います」と期待を語った。

セノ派「移動祝祭商店街」は明日6日まで、第1部は豊島区内商店街、第2部はトランパル大塚にて。また「フェスティバル/トーキョー19」は11月10日まで、東京・東京芸術劇場、あうるすぽっと、シアターグリーン ほかにて開催される。

長島確コメント

これは舞台芸術の側からの、街へのラブコールだと思ってます。街へ出てみると、街にはやっぱり素晴らしい方たちの、非常に面白いアイデアやすごいエネルギー、活動が、各商店にそれぞれ違う形であり、そこで面白い方たちと出会って、これからどうすればこういうことが一緒にできるかを何年かがかりかで考えていく、一番最初のラブコールだと思っています。

今回、単に劇場と同じことを街に無理やり持ち出す、ということではなく、街の風景やそこに生活してる方たちと、どういうふうに一緒にいられるかっていうことがとても大事なポイントで。そのことをセノ派の面々も北尾さんも、皆さん各チームがすごく工夫してくれています。その1人、音楽担当のとくさしけんごさんは「MUSIC FOR SAUNA」というようなすごい環境音楽を作曲してしまう方ですが(笑)、彼が街の風景の音……例えば踏切の音に対して、コードがちゃんとあった音を持ち込んでいて、それはすごく面白い試みだと思います。風景が作品によって何か変わったり、見えてなかったものが見えてきたり、その時間が非常に面白いものになってると思います。ぜひ来て、この場を、この時間を、一緒に体験してもらえるといいと思います。

杉山至コメント

あんまり観たことのないようなイベント、僕は“出来事”って読んでいるんですけど、になると思います。ダンス公演なのかお祭りなのか、ぜひ観てもらって、野外ですから空気や環境を感じてもらって、大塚の街の魅力や楽しみを、1時間半、一緒に共有できるといいなと思ってます。

北尾亘コメント

その土地の方にインタビューしたり、つながったりということはフィールドワークに関わる中で多いと思いますが、今回の「移動祝祭商店街」では、街そのもの、建物や街が持っている空気や景色までもを捉えようとしていて、それがやっぱりセノ派の取り組みだなと思っています。
身体の面、コレオグラフィーの面でも、人を模写するだけではなく建物、またトランパル大塚の土地、あるいはいろんな商店街だったりの現象、風、匂い、そういったものまで、割と繊細に身体に起こせているのではないかと思います。

坂本遼コメント

南長崎エリアでベッドの山車を出します。あの街に眠っていたものを使って、見る人の眠っていた記憶とか、その街に眠っている想像力みたいなものが断片的に見えたら、すご?くいいなと思っています。イメージ的には線香花火が消えていく時のチラチラチラッていう輝きみたいのが出せたら、すごく美しいなと思ってます。

中村友美コメント

リハーサルを終えて、出前を通して運ぶ、つながる、街へ運ぶ、みたいなカタチがようやく見えてきた感じがします。運んでいく過程を通して、お店や商店、その痕跡などの“場”をパフォーマンスの中で見付けてもらえるとうれしいです。チャイムを鳴らして、配送して、荷物を受け取ると言うか、1軒1軒訪ね歩く、そんなイメージで移動しています。

佐々木文実コメント

自分は、ここの作品を作るにあたって、どうやって立っていればいいんだろうって思った時に、街のファシリテーターとして、“場”を人に提供できればいいのかなって思い始めました。楽しい場を用意してるので来てほしいです。

セノ派「移動祝祭商店街」

2019年10月5日(土)・6日(日)
東京都 豊島区内商店街(第1部)、トランパル大塚(第2部)

パフォーマンスデザイン:セノ派(舞台芸術家コレクティブ)

「フェスティバル/トーキョー19」

2019年10月5日(土)~11月10日(日)
東京都 東京芸術劇場、あうるすぽっと、シアターグリーン ほか

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