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欅坂46 長濱ねるのノスタルジックな魅力 音楽にまつわる思い出語ったラジオを聞いて

リアルサウンド

19/1/17(木) 8:00

 今年度新成人となった欅坂46(以下、欅坂)の長濱ねるが、『ニッポン放送ホリデースぺシャル 『欅坂46・長濱ねる 二十歳の一曲』』のメインパーソナリティーを務めた。これは、1月14日の成人の日に3時間放送された音楽特番。“長濱ねるを作った5曲”など、長濱がこの20年間で感銘を受けた曲を紹介し、音楽を通して彼女の生い立ちが垣間見える番組となった。

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 1998年生まれの新成人たちについて各マスコミは「奇跡の世代」として、広瀬すずや橋本環奈、乃木坂46の齋藤飛鳥などの名を挙げていたが、欅坂では長濱のほか、織田奈那、小池美波、渡邉理佐が新成人を迎えている。卒業した今泉佑唯や志田愛佳も98年組だった(けやき坂46では高瀬愛奈、高本彩花、東村芽依、宮田愛萌が新成人に)。

 欅坂の黄金世代とも呼ばれるほど、パフォーマンス面だけでなくバラエティでの活躍などのタレント性も含め、各方面でグループを支えている98年組。かつて『欅って、書けない』(テレビ東京系)のバレンタインのお返し企画で、長濱は「欅坂の98年生まれ組でバンドを組みたい」とコメントし、ベースをおねだり。メンバーの楽器担当まで決めていたが、2人の卒業で長濱の夢は一旦中止となった。だが、長濱は今泉が卒業を発表した際、ブログに「98年組のドラムは、ずー担当なので。いつか皆でできるといいな~」と綴っており、諦めていない様子。98年組バンドへの熱い想いがある長濱を中心に、いつか実現する日が来ることを願って止まない。

 そんな長濱が成人の日に、音楽にまつわる思い出を目一杯語った。昨年12月12日にオンエアされた『欅坂46のオールナイトニッポン』(以下、『ANN』)で単独パーソナリティーを担当した際に、「曲紹介をもっとたくさんしたい」と発言したことから繋がった今回の特番。様々なアーティストが二十歳の時にリリースした楽曲を中心に、“長濱ねるを作った5曲”や、昭和歌謡好きの小池美波とのトーク、20年前に流行した曲を佐藤詩織と学ぶなど、いろいろな形で“二十歳の一曲”を紹介した。

 新成人を迎えたことに関して「結構みなさん、二十歳そんな変わらないよって言うんですけど、私は二十歳になったなって実感することが多くて、お酒を飲んだりですかね」と長濱らしい感想を口にする。二十歳になってから長濱は、『吉田類の酒場放浪記』(BS-TBS)に憧れてしそ焼酎好きを公言するなど、欅坂初の酒豪キャラが確立しつつある。

 また欅坂のグループ全体については、「去年新メンバーが加入したので、今年はグループにとっても大きな変化の年になるんじゃないかなと思っています」と語っていた長濱。欅坂一期生の中で唯一の途中加入であり、けやき坂46創始者として後輩をまとめてきたという実績があるだけに、新メンバーとの距離を縮める役としても重要になってくるはず。また二期生として、関有美子、田村保乃、松平璃子という98年組が3人加入したことにより、同い年だからこその相乗効果が生まれることにも期待したい。

 そして番組内では、“長濱ねるを作った5曲”と題して、長濱が20年間耳にした大好きな曲や、感銘を受けた曲、長濱的五つ星ソングを紹介。

 1曲目は内山田洋とクール・ファイブ「長崎は今日も雨だった」。メインボーカルの前川清が長濱と同じ長崎県出身ということでのチョイス。「若干二十歳で、この渋さと艶と貫禄ですよ。こんな渋い歌を歌う同級生出会いたかったなー(笑)」と笑いながらも絶賛。渋い一面を持つ長濱らしい一曲だ。

 2曲目は、CARPENTERS「Yesterday Once More」。5歳ぐらいの時にピアノの発表会で歌った思い出の曲。その発表会で父が唐突に「長濱家も出させてくれ」と提案し、家族5人でアニメ『ドラえもん』の曲を演奏したという。兄が当時の一張羅である少年野球のユニフォームを纏い、担当楽器であるカスタネットを真面目に叩いていたと説明しながら、「思い出すだけで笑っちゃう」と爆笑する長濱。「私だったら絶対反抗するよなと思って。お兄ちゃん、素直に家族のそういうのに参加してて偉いなと思いますね」と語った。

 3曲目は、Phillip Phillips「Home」。中学生の頃、ロンドンオリンピック真っ只中の時期に、1カ月間アメリカにホームステイしていた長濱。「アメリカの体操かな? のテーマ曲に選ばれていたのがこの曲で」と振り返り、同郷の内村航平選手の応援に力が入っていたという当時、それに気づいたホストファミリーが一緒に声援を送ってくれたと話す。この曲を聴くと、その時の様子やホームシックになったことを思い出すと明かした。

 4曲目は、SUPER BUTTER DOG「サヨナラCOLOR」。欅坂としてロックフェスに出演することが多く、その中で出逢った曲だという。〈僕をだましてもいいけど/自分はもう だまさないで〉という歌詞が好きと説明した。寂しい時やうまく行かないと落ち込む夜に、一人でしんみり聴いているという、上京してからの思い出の曲。

 最後の5曲目は、欅坂46の「アンビバレント」。長濱の人生の転機となった欅坂への加入、そしてそんな欅坂のライブで二十歳を迎え、ファンが「ハッピーバースデー」を唄ってくれたのがすごく大きな出来事だったと、幸せを噛みしめるように語った。

 今回の番組で一番印象に残ったのは、邦楽の一番好きな曲として紹介した、荒井由実(松任谷由実)が二十歳の時に作った楽曲「やさしさに包まれたなら」。五島列島に住んでいたころ、移動式パン屋さんが土曜日のお昼だけ別の集落から山を越えて売りに来た時に流れていた曲だという。「この曲が土曜日に聞こえると、お母さんが、“ねる買ってきて”って小銭をくれて。お昼ご飯を走って買いに行ってた思い出がすごく強くて、なのでこの曲を聴くと、その時の昼下がりの温度とか、空気とか、景色とか、今でも思い出して、すっごく大好きな曲ですね」とコメント。実際は知らないのに、なぜかその光景が頭に浮かび、どこか懐かしさを感じさせる長濱のトークに、改めてラジオDJとしての才能を感じた。

 先月の『ANN』で披露した姉の結婚式の話や、今回のピアノ演奏会の話など、長濱家の話はさくらももこのエッセイに出てきそうな、ほのぼのエピソードが満載。幼少期の思い出を本にしたらドラマ化されるのではないかと思うほどだ。同時に98年生まれなのに、どこか昭和の雰囲気を醸し出す長濱のノスタルジックな魅力にも気づかされた。

 そんなユーミンと『NHK紅白歌合戦』(以下、『紅白』)で同じステージ上に立ったという長濱にとって夢のようなエピソードや、北島三郎と握手した『紅白』裏話、小池との二十歳の誓いなど、他にも面白エピソードが満載だった『欅坂46・長濱ねる 二十歳の一曲』。あっという間の3時間だった。(文=本 手)

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