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山田脩二の写真展『新版「日本村」1960-2020 写真プリントと印刷』開催中

CINRA.NET

20/12/14(月) 18:00

山田脩二作品

山田脩二の個展『新版「日本村」1960-2020 写真プリントと印刷』が12月27日まで東京・馬喰町のkanzan galleryで開催されている。

1960年代から写真家として活動し、1982年に「職業写真家終止符宣言」をした後、兵庫・淡路島で瓦の製造に携わってきた山田脩二。11月に約60年の集大成となる写真集『新版「日本村」1960-2020』が刊行された。

同展では、山田脩二の手焼きプリント、ネガからのラムダプリント、写真集の印刷の過程で制作された色校正、雑誌などの印刷物を展示するほか、今回のために行なったインタビュー映像を紹介。キュレーターは菊田樹子が務めた。

菊田樹子のコメント

今年の春からスタートした『風景』をテーマにした連続展のために、70年前後の日本の風景や当時の言説をあらためて見直す中で、山田脩二という写真家の存在について考えざるを得ませんでした。奇しくも集大成となる新刊写真集『日本村1960-2020』を発行すると聞き、これを機に、山田脩二さんの作品を展示することで、山田さんの写真家としての凄み、そして、60年の歳月の中に浮かび上がる日本の風景や、「日本村」と名付けられた日本そのものにあらためて目を向けてみたいと思いました。
山田さんは、バウハウスをモデルに発足して間もない桑沢デザイン研究所、高度成長期の只中に膨大な生産を行っていた印刷会社に身を置き、高層ビルをはじめ数多くの戦後の日本を象徴する建物の竣工に立ち会い、東京オリンピックや大阪万博、学生運動を体感し、そして、風景論・都市論が熱気を帯びる何年も前から日本全国津々浦々を旅して回っていたという稀有な方です。カメラと自らの身体を通して、これらを経験してきたことが、山田さんの写真からひしひしと伝わってきます。そこには、特別な事件も、都市と地方という安易な二項対立も、失われつつあるものを嘆くセンチメンタルな感情もありません。
今回の展示は、山田さんからのアイディアで「写真プリントと印刷」というサブタイトルがついています。誰かが一本の指でシャッターを押すことでとらえられた一枚の写真が、輪転機から凄まじい勢いで排出され、そしてそれが何万、何十万人の眼に触れる現場を見てきた山田さんにとっての「写真」の概念を展示の中で感じていただけたらと思います。

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