Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

歌舞伎座 八月花形歌舞伎

20/7/18(土)

【第一部】『連獅子』 「待ってました」と声をかけたくなる。八月、ようやく歌舞伎座の幕が開く。近年には珍しく四部構成で、一部から三部までは踊りの演目一本という狂言建てだ。踊りならセリフのやりとりがほとんどない演目ばかり。これもコロナ感染対策の一環なのだろう。登場人物も少なくて済むし、大道具の転換も極力回数を減らしての上演だ。 とはいえ再開にふさわしく華やかな演目が並ぶ。第一部はご存じ『連獅子』。上方歌舞伎やシスティナ歌舞伎、永楽館歌舞伎などこれまで何度も顔を合わせ息のあった片岡愛之助と中村壱太郎による親子の獅子。宗論には中村橋之助と中村歌之助の兄弟がつとめる。 舞台は中国の霊地である清涼山。前半は白い手獅子を持った狂言師左近と、赤い手獅子の右近が登場。親子という設定だ。「生まれた子供を谷底へ落とし、這い上がれた子供だけを育てる」という言われに合わせて、親獅子は子供を蹴落とし、仔獅子は谷底へ落とされ、本舞台から花道の七三へ戻る。心配する親の顔を見て力を振り絞り、仔獅子は再び山を登り親子は無事再会、二人はゆうゆうと花道を引っ込む。 後半、後ジテとして親獅子仔獅子が登場するまでに、間にアイ狂言と呼ばれる短いコミカルな踊りが挟まれる。念仏僧と法華僧がそれぞれ清涼山へ行きあうことになるが、お互い宗教上のライバル同士。道中も「こちらが正しい」「いやわれらだ」と譲らず宗教論争に。念仏踊りと題目踊りがまざりあいとんでもない結末に。 再び勇壮なこしらえになって親子の獅子が登場。そして紅白の長い毛をまるでゆすぐかのような「髪洗い」、バシッと豪快に打つ「菖蒲打ち」、右左に巴の字のように振るなど、圧倒され息つく暇もない。 今回は感染防止対策のため、山台の上の長唄連中の人数も絞った形で行われる予定だ。 製作発表での愛之助さんのコメントの一部をご紹介しておこう。 「大向こうさんがいないのは少し淋しい気もしますので、SEで入れてもらえないかと相談したら却下されました(笑)。何より安全安心が大事です。壱太郎さんと『連獅子』を踊るのは3年ぶり。コロナウイルスを吹き飛ばす勢いで踊ります」

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む