オーバー・ザ・リミット 新体操の女王マムーンの軌跡
20/7/3(金)
オーバー・ザ・リミット 新体操の女王マムーンの軌跡 (C)Telemark,2018
リアルな『ブラック・スワン』、ロシア版『セッション』など話題を集めている本作だが、その触れ込みはかなり正確といっていいかもしれない。
新体操王国ロシアの代表選手、マルガリータ・マムーンがリオオリンピックで金メダルを獲得するまでの道のりを追ったドキュメンタリーだが、主人公は彼女であって彼女ではない。実質的な主人公は、彼女を指導するイリーナ・ヴィネルとアミーナ・ザリポアと言っていい。
どちらもロシア体操界では名コーチとされているそうだが、ふたりの指導は他の国ならばアウト。完全にパワハラに当たる。そういう罵詈雑言を浴びせる場面だけ切り取られている可能性もなくはないが、それにしても技術論より、精神論のこんな指導がまかりとおっていることに驚く。
ただ、一概には責められない。なぜなら、そこには、ロシアにおいてオリンピックで金メダルを獲ることの意味が見え隠れするからに他ならない。
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