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AI、安室奈美恵への想いと頑張る人へのメッセージが詰まった「Baby You Can Cry」を語る

リアルサウンド

19/10/3(木) 12:00

 2019年11月にデビュー20周年イヤーを迎えるAIが、この20年の活動を支えてくれたすべての人たちに「感謝」の気持ちを込めて、新曲+名曲セルフカバーベストセレクションの20周年記念アルバム『感謝!!!!! – Thank you for 20years NEW & BEST-』を11月6日にリリースする。今回はその20周年記念アルバムに収録されている最新曲「Baby You Can Cry」についてAIにインタビュー。自分を育んだHIP HOP/R&Bのサンプリングという手法を用いて、安室奈美恵の「Baby Don’t Cry」を制作した同曲に込めた気持ちや、自身の音楽活動にも大きな影響を与えた存在でもあり、敬愛する安室奈美恵への想いを語ってもらった。(編集部)

■安室さんは本当にリスペクトするアーティストの1人
ーー先行配信曲「Baby You Can Cry」では安室奈美恵さんの「Baby Don’t Cry」をサンプリングしていますが、どうして今回この曲を制作することになったんでしょうか。

AI:今回、20周年記念アルバムを作ることが決まってどんなアルバムにするかを考えたときに、自分のルーツがたくさん入ったアルバムにしたいと思いました。ダンスやゴスペル、自分が影響を受けたアーティストなどスタッフと相談していく中で、HIPHOPとR&Bを表現するにはやっぱりサンプリングがいいんじゃないかというアイデアが出て。いろんなアーティストが思い浮かびましたが、日本人で唯一この人だと思ったのが安室さんでした。楽曲の制作が彼女の引退とも重なったりして、オンタイムだったんですよね。安室さんにはすごくお世話になったし、本当に私がリスペクトするアーティストの1人です。普段は自分が何十周年だとかあまり気にしてないんですけど、20周年というのはいい一つの区切りだなと思って、自分にとってもスペシャルなものにしたかった。だから、ただサンプリングして曲をただ書いて歌うというよりも、彼女へのメッセージというか気持ちが伝わるような方法にしました。

ーーAIさんから見た安室さんの第一印象はどうでしたか。

AI:いやもう、やばいと思いましたね(笑)。自分の中では、まさか会うとも思っていなかったから、ビヨンセに初めて会った時の感覚というか、「本当にいたんだ」みたいな感じでした。

ーーAIさんは安室さんのスペシャルプロジェクト・SUITE CHICにも参加していますよね。20周年の音楽活動の中でどんな影響を受けたと感じますか。

AI:自分にとってのターニングポイントというか、人生の中で自分にとって色々変わる瞬間ってあるじゃないですか。当時は私もそこまで知られていなかったから、もちろん嬉しいなっていうのと、誘ってくれたのも嬉しかったです。そこから安室さんと、他の国に行ったりライブをしたり、一緒に曲を作ってレコーディングしたり。MVも制作したり。そういう経験の中で彼女が私に教えてくれたことがいっぱいあります。私より全然長く(音楽を)やってきてる先輩じゃないですか。なかなかそんな先輩と、みっちりずっと一緒にいることもなかったので貴重な経験でしたね。

 とにかく私が言うのもなんだけど、安室さんとは息がぴったりだったんですよ。いろんなことが楽しくて。初めてテレビに出たのも彼女と一緒だし、彼女が『ミュージックステーション』に出演する時私も便乗して出たんですけど、私は当時今みたいに普通にしゃべれる感じじゃなくて。すごい鹿児島弁だったし、そんなに敬語とかも喋っていなかったから「お前名前何?!」みたいなこと言ってて、どうしようもなくて(笑)。でも、彼女を近くで見ているうちに人との接し方も勉強していきました。だから私にとっては本当にすごくお世話になった人です。

ーーステージでのパフォーマンスに対しても影響を受けていますか。

AI:彼女がライブで人と歌う時の感覚とか、たとえばライブ中にどっちが前に出る、下がる、とか空気で感じていくことやステージングも彼女を見て色々学びました。いろんなものを近くで見れるってなかなかないし、ツアーもそうですよね。私はそれまでクラブでライブをすることが多くて大きな会場でライブをしたことがなかったんです。初めて彼女のツアーに出たとき、ジャングルジムみたいなのがステージに組み立てられてて、「さすが、すげー!」と思いましたもんね、「この上で歌うの?!」って。本当に、安室さんとライブをするようになって、大きなステージや海外でのライブ、それに記者会見も初めてだったし。本当にいい勉強になりましたね、そのジャングルジムのライブは忘れられないし(笑)。いつか私もやりたいなって思ってるんですけど。まだそこまで行き届いてないかも。

ーー安室さんとはコラボレーションした曲数も一番多いですよね。

AI:そうですね。もう本当に、彼女はどう思ってるか聞いたことないけど、私としてはもう息がぴったり合うと思っているので。SUITE CHIC(「“Uh Uh,,,,,,” feat. AI」)、「FAKE」(AI「FAKE feat. 安室奈美恵」)もだし、あとZeebraさんの「Do What U Gotta Do feat.AI,安室奈美恵&Mummy-D」だったり、あと(土屋)アンナちゃんと私と安室さんと3人の「Wonder Woman(安室奈美恵 feat.AI & 土屋アンナ)」はいかにも強い女たちの曲で、相当楽しかったです。1曲ごとに撮影もたくさんあるし、取材もいっぱい一緒に受けるし、本当に自分にとっていい経験だった。彼女を目指して自分も頑張ろうって思える、(コラボレーションは)そういうきっかけになったと思います。

■子どもを産んだばかりの自分にとってぴったりなメッセージ

ーー今回、「Baby You Can Cry」を実際に制作してみていかがでしたか。

AI:安室さんのファンの子たちがどう思うかなとか、「おまえ勝手に曲使ってんじゃねえ」って思われないかな? とか色々考えました(笑)。でも自分としてはやっぱり彼女のことが大好きだし、リスペクトしているので。私も2人子どもを産んだあとで、久しぶりのシングルっていうのもあって、彼女のパワーを欲していたと思います。今までもそうやって自分が迷ってるときには、彼女といいタイミングでいつも引き合わされて音楽ができていたような気がして。安室さんが引退したことは少し寂しいけど、とにかく私の気持ちが込もった曲を作ってみようと思いました。

ーーサンプリングという形からはHIPHOP、R&BシンガーとしてのAIさんの敬意がすごく伝わってきました。安室さんの楽曲には代表曲がたくさんありますが、なぜ今回「Baby Don’t Cry」を選んだのですか。

AI:最初は私も世代的に「Don’t wanna cry」とか「Chase the Chance」とか「CAN YOU CELEBRATE?」とかも大好きで選曲に迷っていたんです。そんな中で、プロデューサーさんが作ってくれた曲の「Baby Don’t Cry」のサンプリングがとても良かったというのもあったし、この曲なら自分の世代だけじゃなくて、もっと若い子たちやもしかしたら子どもたちも幅広い世代の人たちが知ってるかなというのも思いましたね。「Baby You Can Cry」のサビを歌ってみたときに、子どもを産んだばかりの自分にとってぴったりなメッセージでもあるなって。赤ちゃんって常に泣いているから。そういう意味でも今の自分にとって全てが揃った気がしました。

ーー「Baby Don’t Cry」=「泣かないでね」に対して「Baby You Can Cry」=「泣いてもいいよ」というのは対照的なメッセージになっているなと感じました。

AI:歌詞の通り、みんな頑張っている中で泣きたいけど泣けない人がいっぱいいると思うんですよね。泣くことだけじゃなく、感情的にリリースすることもできなかったり。あんまり頑張りすぎずに、たまにはため息ついたり泣いてもいいんじゃない、っていうメッセージにしたくて。まあ私もいつも子どもには「泣きなさんな」って言ってるんですけどね(笑)。でも、やっぱり自分としても、「泣いてもいいよ」と言われたい。元の曲は素晴らしい曲だし「Baby Don’t Cry」には自分もたくさんパワーをもらいました。だから私は私の、自分が今伝えたいメッセージを曲にしました。

ーー最後に、「Baby You Can Cry」をどんな方に聴いてもらいたいですか。

AI:やっぱり一番は、安室さんに聴いてほしいですね。でもこの曲は、自分の家族や友達、自分の人生のことだったり、いろんな人に当てはまると思うので、みんなそれぞれ自分の聴き方で聞いてもらえれば嬉しいです。普段我慢してる人は、とにかくこれを聴いて、リリースしてください、って思うし。たぶん世の中、日本とか特に頑張ってる人だらけだから。みんな頑張りすぎだから、本当に! 仕事とかも遅くまでね、「まだやってんの?!」って感じだもんね。私もそうだったんですけど、最近やっぱり子どもができて、こういう時間をもっと大事にしないとな、とも思うし、頑張りすぎるとだんだん自分が辛くなってくるのもあるから。手を抜くとよくないけど、たまには気持ちを抜いて、「はぁ」って一息つくとか。普段悩んでいたり頑張りすぎていたり、毎日過ごしてるといろんなことがあると思いますけど。そんな頑張っている人たちにもぜひ聴いてもらいたいです。(神人未稀)

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