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ぴあ

いま、最高の一本に出会える

川本三郎の『映画のメリーゴーラウンド』

もう一度『七年目の浮気』の話から…ラフマニノフ、『アパートの鍵貸します』…デヴィッド・リーン監督の『逢びき』につながりました。

隔週連載

第21回

19/4/2(火)

 ビリー・ワイルダー監督の『七年目の浮気』(1955年)の音楽といえば、マリリン・モンローが戯れに弾く『チョップ・スティックス』の他に、もう一曲よく知られているのが、ラフマニノフの『ピアノ協奏曲第二番』。
 憂愁を帯びたロマンティックな曲で、ロシアの作曲家ラフマニノフ(1873-1943年)の代表作。
 夏休み、家族が避暑に行き、ニューヨークのアパートに一人、取残された中年男トム・イーウェルは、同じアパートにいるキュートなグラマー、マリリン・モンローと知り合う。
 自分の家に招待する。当然、よからぬことを妄想する。この可愛い女性をうまく口説き、あとはよろしくことに至る。
 そこで部屋の雰囲気を盛り上げようと、レコードを用意する。それがラフマニノフの『ピアノ協奏曲第二番』。この甘美な曲を聴いたら、夢の中から現われたような女性も心をとろけさすに違いない。
 ちなみにこの映画のマリリン・モンローには役名がない。あくまでもザ・ガール。つまりはそもそも中年男の妄想のなかの女性なのだろう。

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