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桑田佳祐、新曲「北鎌倉の思い出」歌唱の原由子にメッセージ「歌う曲を好きになってほしい」

リアルサウンド

18/7/29(日) 19:00

 7月28日の『ニッポンハム ムーンライト・ミーティング 桑田佳祐のやさしい夜遊び』(JFN系列38局ネット)は先週に引き続き、8月1日にリリースされるデビュー40周年のプレミアムアルバム『海のOh, Yeah!!』(海の“オヤー”)の特集回。鎌倉の情景、夏の海に思いを馳せつつ、目前に迫ったアルバムの発売がさらに楽しみになる1時間だった。

 冒頭、桑田は、第100回全国高校野球選手権の南神奈川大会で母校・鎌倉学園高校の野球部が決勝戦に進出したことに触れ、「我が母校、鎌倉学園が素晴らしいんですよ。決勝進出、おめでとうございます! 居ても立ってもいられなくなっちゃってさ、電報打っちゃったのよ(笑)」と報告。「勝負は時の運だから、どうとでもなるんでしょうけど、卒園生としては応援しているし、夢をありがとうと言いたい!」とエールを送っていた。

 夏らしい話題と、高校時代を振り返る桑田のエピソードトークが、湿度の高い夏の夜を爽やかに変えていく。そのなかで、「I AM YOUR SINGER」(2008年)、「SAUDADE~真冬の蜃気楼~」(1998年)、「BLUE HEAVEN」(1997年)、「素敵な夢を叶えましょう」(1998年)など、『海のOh, Yeah!!』収録曲が惜しげもなくオンエアされた。台風の接近に不安を感じるリスナーも多いなかで、心を落ち着かせるように、“穏やかな海”を感じさせてくれるような楽曲が中心となっていたのが印象的だった。

 さらに、「闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて」、「壮年JUMP」、そして「北鎌倉の思い出」と、多くのリスナーの期待や要望に応え、新曲もすべて流される。特に、先週の放送で初オンエアされた「北鎌倉の思い出」には、リスナーからのメッセージやリクエストが殺到していた。

 北鎌倉の寺社を訪ねた際に、「卒塔婆は亡くなった人たちに出す手紙のようなもの」という話を聞き、「故人を偲ぶ、日本ならではの風習を切なく感じた」というファンは、「<100年前に消えた 君と出会った交差点>と歌われた場所は、彼岸とつながっているだけでなく、どこかに綻びを探せそうな、不思議な気持ちにさせてくれます」と、詩的な表現で歌詞の魅力を語る。また、同曲が11月1日公開の映画『ビブリア古書堂の事件手帖』の主題歌に決定したとのニュースに驚いたというリスナーも。桑田は「ビブリア古書堂も、北鎌倉の駅裏にあったという設定。西口の小さな店、優しい人たちが好き」と、穏やかで美しい楽曲に彩りを添えるエピソードを語っていた。

 同曲は原由子がボーカルを担当している。その歌声に痺れた、という声も多く届くなかで、桑田が語った言葉も印象的だ。「原さんには好きな曲を歌ってほしいと思うし、歌う曲を好きになってほしいと思う」と切り出した桑田は、その歌声の魅力について、「彼女ってものすごく声域が広いとか、声が強いということではないんですよ。やりすぎない歌唱技術というのかな、独特で、繊細なものがある」と分析。「音楽的に詳しいから、いろいろ相談しながらやっていくと楽しいんです」と、ミュージシャンとしてのリスペクトの思いも、あらためて明かしていた。

 さて、サザンオールスターズともなれば、ベストアルバムへの収録からこぼれてしまう楽曲にも、ファンにとって思い入れの深い名曲が数多く存在する。あるリスナーは、「『PARADISE』『この青い空、みどり ~BLUE IN GREEN~』『夢に消えたジュリア』などが大好き。たまにはラジオで聴きたいです」とリクエストを送った。桑田は「私が選ばなかったの。申し訳ない(笑)」としつつ、「今度、ラジオでね」と話した。数多くのヒット曲、名曲があるだけに、今作への収録から漏れて残念に思う楽曲があるファンは、ぜひ番組でオンエアされる日を楽しみにしてほしい。特にサザンの楽曲は、クリアな音質で聴くのはもちろん魅力的だが、ラジオやカーステレオで聴くのもまた違った良さがあり趣深い、と思わせてくれる。

 とにもかくにも、台風が過ぎ、海が似合う快晴をつれて、20年に1度のプレミアムアルバム『海のOh, Yeah!!』がやってくる。この日、エンディングトークのBGMとして流された「LONELY WOMAN」(2004年)も含め、心穏やかに聴ける楽曲が多く選ばれたが、どんな気持ちにも寄り添ってくれる楽曲が揃っており、多くの音楽ファンにとって今も、そして今後何十年先も多くの人に愛される「夏を代表するアルバム」になることは間違いないだろう。本作とともに、たった一度の特別な夏を楽しみたい。(文=橋川良寛)

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