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三谷幸喜「最高の大河ドラマにします」 『鎌倉殿の13人』小栗旬が“ダークーヒーロー”北条義時に

リアルサウンド

20/1/8(水) 19:30

 2022年NHK大河ドラマのタイトルが『鎌倉殿の13人』に決定し、主演を小栗旬、脚本を三谷幸喜が務めることが発表された。

 NHK大河ドラマ第61作目となる本作の舞台は、平安時代後期から鎌倉時代初期。義兄でもある鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学んだ二代目執権・北条義時を主人公に、武士の世を盤石にした彼の生き様、翻弄された周囲の人々を描き出す。

 NHKドラマの制作発表では異例となる特別映像で作品タイトルが発表された後、三谷幸喜が会見場に登場。三谷は近年の大河ドラマの中でも高く評価されている『新選組!』『真田丸』に続いて脚本を手がけるのが本作が3作目となる。

 「カルロス・ゴーンの会見の6時間前に会見をさせていただきます」と切り出し場内を笑いに誘うと、「『鎌倉殿の13人』は、プロデューサーの皆さんと話し合い、今までの大河ドラマにはないタイトルにしようと試行錯誤しました」とタイトルの意図を説明。

 タイトルの「鎌倉殿」とは鎌倉幕府将軍を指す。頼朝の死後、二代目将軍・源頼家を支えるため鎌倉幕府は家臣たちの合議制で政治を進めていく。その家臣たちの人数が「13人」だったというわけだ。

 三谷は会見場にホワイトボードを用意すると、「13人の名前を知っている方はほとんどいないと思うので、これから覚え方を教えます」と家臣たちの頭文字を取った「覚え書き」を披露。「『ほっぺたがあみあみになっているひかわなにお』と覚えていただければ、全員の名前がわかると。今はほとんどの人が知らないと思いますが、オンエア後は日本国民全員がこの13人の名前を知っていると思っています」と自信満々で語る。

 続けて北条義時の家系図をホワイトボードに北条家の家系図を三谷は書きながら、「ある作品の関係に似ていると思ったんです」と語り、「義時は映画『ゴッドファーザー』のマイケル・コルレオーネ(アル・パチーノ)なんです。マイケルも兄・ソニー(ジェームズ・カーン)が殺されたことにより、やむなく家業を継いでのし上がっていきます。おそらく、原作者のマリオ・プーゾは、北条家の歩みに影響を受けて『ゴッドファーザー』を作ったんでしょう!」と冗談を飛ばしつつ、「本当にこの時代は面白いんです! 僕の頭では想像もつかないような史実が鎌倉時代には展開しているので、それをドラマにできることは脚本家冥利に尽きます」と熱弁した。

 さらに、「政子をサザエ、頼朝がマスオさん、時政が波平、義時がカツオ、まさに『サザエさん』ともそっくりなんです!」と力説し、会場を笑いに包んだ。 

 そして、主人公・義時を演じるのは小栗旬。三谷は小栗にオファーをした理由について、「『わが家の歴史』(フジテレビ系)で小栗さんには高倉健さんの若い頃を演じていただきました。小栗さんは高倉さんに容姿が似ているわけではないのですが、映像を観た時に、健さんにしか見えなかったんです。小栗さんはモノマネではなく、心でその人になりきる方なんだとそのときに感じました。それから映画やドラマにも出演していただきましたが、どの役でも出番が短くても、役を掴むのが本当に上手い。芝居に嘘がない方なんです。ただ、強く格好いい、優しいヒーローではない、酸いも甘いも噛み締め人間的弱さをもった義時を、小栗さんなら演じてくださると思いました」とコメント。

 数々の映画・ドラマの脚本を手がけてきた三谷だが、大河ドラマの脚本は“特別”と語る。「今は地上波以外にも配信が力を持ってきていますが、毎週同じ曜日の同じ時間に、日本中の皆が楽しめるものは連続ドラマしかないわけです。その中でも大河ドラマは1年かけてやるわけで、そんな作品は他にありません。『新選組!』『真田丸』と2回書かせていただいて、分かったこと、前はできなかったことがあるので、それを踏まえて本作を自分にとっての集大成に、最高の大河ドラマにしたいと思います」

 自身も大河ドラマファンと語る三谷は、「大河ドラマは終わるんじゃないかと思ってる人もいるかもしれないけど、全然そんなことはない。これは61本目ですけどようやく60本で第一章が終わり、61本目で第二章が始まる」と熱い胸の思いを打ち明けた。(取材・文=石井達也)

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